参議院議員 林 久美子
昨年末の衆議院議員選挙、今夏の参議院議員選挙で、私たち民主党は大きく議席を減らしました。一方で、与党自民党は、衆議院・参議院ともに多数を占め、衆議院と参議院のねじれも解消されました。しかし、国会閉会中のこの二ヶ月の間に、滋賀県も大きな被害を受けた台風一八号による災害、福島第一原発からの汚染水漏れの事故、JR北海道のずさんな安全管理の問題。国会で議論しなくてはならないテーマが山積しているにも関わらず、政府は一向に国会を開きません。これまでほぼ一年中国会が開かれている通年国会状態であったことを考えれば、国民のニーズにスピード感をもって対応しているとは言い難い状況です。そしてようやく、今月一五日に国会が召集されます(この原稿を書いているのは九日です)。今の段階では、どのような法案が出てくるのか見えてきませんが、しっかりと議論を重ねて、十分な議論をした上での「決められる政治」を実現していきたいと考えています。
さて、今回のタイトルは「変わりゆく政治」としました。それは、明らかに民主党政権時代と比べ、政治が大切にするものが変わってきていると感じているからです。自民党政治は、資産が何億もあるようなお金持ちにとってはいい政治だと思います。大企業にとってもいいのかもしれません。でも、資産家はわずかです。大企業に勤めている方もわずかです。国民の大多数は、資産家ではなく、地域の中小企業に勤めています。では、具体的に何が変わるのか――。
例えば介護保険制度。高齢化が進み、核家族化が進む中で、お年寄りだけで生活する世帯が増えています。そうすると家族の誰かが介護するという仕組みは成り立たず、社会制度として介護をしていくためにつくられたのが、介護保険制度です。そして、介護を必要とする手前の状況の「要支援者」にもサポートが行われてきました。この要支援者に対する介護予防給付について、今回、政府は手を離し、市町村に任せようとしています。政府は『市町村における効率的な事業の実施により、制度の効率化を図る』としています。お金のある市町村は、これまで通り要支援事業を実施できるでしょう。しかし財政的に余裕のない市町村は、まさに「効率化」の名の下に制度をやめてしまうかもしれません。私は厚生労働省に「これまで通り、すべての市町村で要支援事業が行われるのか」と確認しましたが、「そのように自治体にはお願いしようと思います」と述べるにとどまり、保証されていません。
つまり、弱い立場にある人も大切にしようとしてきた私たちの政治は、弱い人たちを「効率化」すると、切り捨てる政治に変えられようとしているのではないでしょうか。こうした問題にも、この国会ではしっかりと切り込んで、少しでもすべての方が安心できる社会をつくっていけるよう取り組んで参ります。






