気軽に「助けて!」を言える永源寺
◇東近江
話し相手や買い物支援など、なにげない日常の「助けて!」に応える東近江市永源寺地区住民有志による生活支援サポーター「絆」の活動が、全国のボランティア団体などから注目を集めている。県内外から視察や研修に訪れる団体も増え、近く兵庫県で開催される全国大会では事例発表も行う。
絆の活動は、高齢者や障害をもつ人など地域の誰もが気軽に「助けて!」と言える永源寺をめざして、様々な福祉の制度やサービスで対応できない部分のすき間を埋める。
高齢化率七〇%を超える集落もある山間部の永源寺地区東部では、支え合いがないと暮らせない。一方、大きな集落や新らしい住民も転入してくる西部や中部では、住民の間に支え合いの必要性が薄れている。
永源寺地区では、医療・福祉の専門職による「チーム永源寺」が訪問介護や訪問医療、自宅での看取りといった顔の見える関係づくりを広げている。しかし、サービスや制度だけで支え切れないニーズが増えてきているという。
以前開かれた「住民支え合い懇談会」で住民から▽支えてほしい人や手伝いの必要な人は気を使う人間関係から、「助けて!」と言えない▽遠慮しながらも、困っていることがある▽福祉や行政のサービスや制度ではどうにもならないことがある▽「助けて!」と言われればお手伝いできるが、何も言われていないのにいきなり助けることはできない▽手伝いをしてもらったからお礼をしようとするが、お礼をされたら次に行くときにまたお礼されるのはかなわないと一歩引いてしまう――などの声が聞かれた。
そこで新たな支え合いの仕組みが必要と考えた地元の社会福祉協議会が「生活支援サポーター養成講座」をまちづくり協議会などと協力して開催。すると、支え切れていないことがいっぱいあり、暮らしのお手伝いは住民の自分達でもできることに気づいた。「永源寺のために何かしたい」の思いが次に「生活支援サポーター懇談会」(九回)を経て、平成二十四年一月十八日に講座受講生三十四人で「生活支援サポーター絆」を設立した。
現在の登録者は三十八人で、依頼はケアマネージャーからが十人、民生委員からが五人、本人から直接が二人の計十七人。三つの地域ごとに班をつくり、三か月交代で務めるコーディネーターが相談を取りまとめ、月一回の総会で担当者や支援方法などを相談、絆でできないことは専門職へつなぎ直す。高齢者の見守りを兼ねた話し相手、見舞いや送迎、買い物支援、草刈りや図書の手配などが主な活動となっている。
もうすぐ発足二年。焦らず、ぼちぼち、楽しく、話し合いながらの活動。川嶋冨夫代表は「絆を誇りに思っている。私がメンバーに指示を出したことが一度もない。メンバー自らが行動を起こしてくれています。何ごとも自発で行うのがメンバーの強味で私の宝物です。『苦しみもってやるならやめよう。楽しみもってやろう』がモットーです」と、やさしい笑顔で語った。









