東近江市長 小椋 正清
先日、滋賀県地方六団体シンポジウムが愛東コミュニティセンターで開催されました。県内の六団体である滋賀県、県議会、市長会、市議会議長会、町村会、町村議会議長会らの関係者約370人が一堂に会したシンポジウムは、「みんなで考える自治」をテーマに地方分権改革の議論を深める機会となりました。
平成5年に衆参両院で「地方分権の推進に関する決議」がなされてから20年の歳月が流れましたが、この決議の柱は、「ゆとりと豊かさを実感できる社会の実現」です。しかし、その道のりは困難なものであると感じた人も多いのではないでしょうか。
東近江市は、この20年間のちょうど真ん中の時期に市町村合併を経験しました。間もなく合併から10年を迎えることとなりますが、この10年という節目を機に、合併の効果や課題を総点検し、課題を明確にすることにより次の10年の方向性を示していくべき大切な時であるとの認識をパネラーとして主張させていただきました。
東近江市は素晴らしい歴史と文化と伝統が潜在しています。この地域の宝物にしっかりと磨きをかけて後世に引き継いでいくことが今の時代を生きる私たちの責務であると考えます。また、これからの地方自治に必要なことは自己完結能力を高めることです。このことによってにぎわいのある住みよい街の実現につながるものと考えます。
私は二つのテーマのうち、「基礎自治体のあり方」でパネラーを務め、そのキーワードを「ふるさと」~村の鎮守~として地方自治体の向かうべき方向を語りました。
村の鎮守は、五穀豊穣を願った日本文化の象徴です。ここに共同体としてのいわば惣村文化がみられ、地域の安心安全のしくみである自助共助の実践があったのです。地域再生はこの原点回帰ともいうべきふるさとづくりであると考えます。
シンポジウムにおいて私が示したキーワードに対する東京大学の神野先生のコメントがたいへん印象に残っています。それは、室生犀星の「ふるさとは遠くにありて思うもの」ではなく、「ふるさとは近くにありて愛するもの」という言葉です。共感していただけますでしょうか。






