竜王町長 竹山 秀雄
毎年5月3日の憲法記念日は、竜王町山之上の恒例の大祭である“ケンケト祭り”が挙行されます。この祭りは、11歳から21歳までの男子が揃いの友禅模様の衣装を着て、鉦や太鼓を打ち鳴らしながら氏神様に薙刀踊りを奉納する郷土色豊かなもので、国選択無形民俗文化財の指定を受けています。また、ケンケト祭りの保存等にご尽力いただいている山之上薙刀祭保存会様は、平成25年度の地域伝統文化功労者表彰を受賞されています。
子どもの数が少なくなってきている中、保存会様を中心に皆さんがしっかりとお祭りを継承してくださっていることに、私は、山之上の住民の一人として無上の喜びを覚えます。
大祭翌日の5月4日、アグリパーク竜王では田植え体験の催しが開かれ、好天候の下たくさんの人が田んぼに入り、間竿(けんざお)(稲を植える目印の竹の竿)と畔(あぜ)から畔(あぜ)にまっすぐに引っ張られた麻縄を頼りに、懸命に植えつけておられました。
そんな中、2~3歳と思われる男児が尻餅をついて半ズボンはドロドロ、傍らのご両親は何も怒ることなくニコニコ、男児はご両親のニコニコ顔を見て泣くどころか、水遊びならぬ最早ドロンコ遊びをしているような状態でした。この様子を見て、“あの男児は、今日の泥田の感触を一生忘れないことだろう”と思え、何とも言えない温もりを感じましたし、ご両親の子育てへの姿勢に感動すら覚えたものです。
現在の農業は、ほとんど機械により進められ、小さなお子様が田んぼに入るとは思いも及ばぬ時代になっている中で、たとえ一日であっても自らの足で田んぼに入ったという体験は、この男児にとって終生のものとなったことと思っています。
今も、お祭り前後には半日単位で、“野止メ”の張り紙が山之上各地域に掲げられます。“野止メ”とは、“農作業は止めてゆっくりしましょう”との触れのことです。お祭りが継承されていることに併せ、この“野止メ”の習わしも守ってこられています。野止メの期間に賑ったアグリパークの田植え体験の催しは、私にとりましても印象に残りました。






