東近江市長 小椋 正清
先日、びわ湖の森の生き物研究会公開シンポジウムに参加させていただきました。この研究会は、琵琶湖周辺の生き物の生態を紹介し、琵琶湖から源流域までの生態系の一体的な森林保全活動を目的とした研究会で、これまで地道な活動により様々な成果をあげてきている専門家集団です。
我が国の国土のおよそ7割は森林で、かつてこの森林は、私たちの生活を支える重要なエネルギー資源でありました。ちょうど50年前の東京オリンピックが開催されたころ、大きなエネルギー革命が起こったのです。薪や炭にとって代わったいわゆるプロパンガス革命です。このころから森林は放棄され、山の木々もエネルギー資源としての存在が忘れられてきたのです。国の森林政策の無策ぶりもあったのでしょう。また、戦後家制度が否定され家屋が耐久消費財となってしまい、「家」そのものが短命なものであることを余儀なくされたこともあるのでしょう。熱帯雨林やシベリアの巨木に日本の材木が太刀打ちできず、放置された森林は日が差し込まないため、保水力を失い、これが土砂災害の大きな原因となり、清流の失われた河川と化していくこととなったのです。
私たちは、このような森林の現状に正面から取り組み、森林の再生を目指す必要があるのです。そのためには、林業が産業として成り立つ仕組みを構築しなければなりません。具体的には、木材の需要を促すなど森林資源の有効活用の推進です。建築資材として、燃料、バイオマス等のエネルギー資源として等々その可能性は広がるものと思います。
合併10年となる東近江市は、56%が森林です。愛知川について言えば、鈴鹿の源流から琵琶湖の河口まで一つの市が管轄しており、そのスケールメリットを生かした取組みを真剣に考える時を迎えています。
環境のための環境政策ではなく、人が豊かな心で日々を過ごすことのできる環境づくりこそ、この研究会のメンバーの目的としているところかな、と思い、ひそかに私の感性と同じなのだと気づき喜びを感じたひと時でした。






