「さいなら原発」が知事選立候補予定者に聞く会
◇全県
市民団体「さいなら原発 びわこネットワーク」は十日、知事選(二十六日告示)立候補予定者に原発の政策を聞く会を開いた。無所属新人三人のうち、共産党県委員会常任委員の坪田五久男氏(55)=共産推薦=、前民主党衆院議員の三日月大造氏(43)が出席、元経産省官僚の隆史氏(47)=自・公・維県総支部推薦=は原発の考え方を文書で寄せた。
【石川政実】
坪田 再稼働させずゼロに
福島第一原発事故により、避難されている人々がいつ故郷に帰れるかもわからない。いまも原発の建屋には近づけず、事故の原因すら究明されていない。汚染水の問題も大変深刻だ。原発事故は収束どころか、そのめどすら立っていない。
進むべき道は、危険な原発は直ちになくすことだ。同時に原発は動かせば動かすほど使用済み核燃料がどんどん生まれてくる。原発のプールも満杯に近くなっている。いま日本の全部の原発四十八基が止まっているわけだから、止めたままで廃炉の手続きに入れば、危険な原発をなくせるという現実的な条件が生まれてくる。だから再稼働には反対だ。地震列島の日本では、安全な原発はない。原子力規制委員会が安全審査をしているが、「世界で一番厳しい規制基準」などの声もあるものの、事故原因すら究明されていないのに、規制基準ができるのか。
五月二十一日の福井地裁の大飯原発差止め判決は、画期的だ。あの判決は人格権という言葉を使って、人の命は何よりも大事だということをはっきりとさせたうえで、原発の安全神話を退けた。
いま、火力発電とか、自然再生エネルギーを組み合わせてベストミックスという考えがあるが、結局、それは原発を残すための詭弁(きべん)だ。県として再生エネルギーを応援するとともに、国にも普及を求めたい。
三日月 再稼働、認めない
若狭湾の風下にある滋賀県には近畿一千四百五十万人の水源である琵琶湖がある。と同時に百四十万人県民の住まいがある。福井県の原発事故が発生すれば、これが一瞬にして、住めなくなる危険性がある。このため原発の即時ゼロを望む。犠牲者が出ない経済社会をつくるべきだ。
原発に頼らなくてもいい暮らしや電源を県内でも取り組んでいきたい。すでにバイオマス、小水力、太陽光など、いろいろなエネルギーの地産地消が行われている。暮らしに近いところでエネルギーを生み出す努力、できるだけエネルギーを使わない取り組みも進められており、これらを総結集して、エネルギー政策の転換を滋賀から図っていく。
原発の再稼働については認めない。電源の代わりはあるけれど、琵琶湖の代わりはないという現実的立場から、立地自治体並みの同意条件を求めたい。
福井地裁の判決は、画期的であり革新的だ。半径二百五十キロ圏の住民の人格権に言及したこと。さらには「国富」を「豊かな国土とそこに国民が根をおろして生活していること」とし、原発事故を「国富の喪失」としたことは大きな意味がある。これまで経済を「国富」として優先し、犠牲にしてきたからだ。福井地裁の判決は、エネルギー政策を転換する画期的な一歩だ。
小鑓 立地地域に寄り添うエネ政策
未だ多数の福島県の人々が避難生活を余儀なくされている現状や、廃棄物処理などを踏まえると、できるだけ原発依存度を下げていく努力を継続する必要がある。
しかし他方で、エネルギーは県民や国民の生命、生活、雇用の基盤であることも忘れてはならない。安全で、安定した、環境によい、安定的な電源は、今のところない。火力発電は、コストが安く安定的だが、オイルショック時以上の海外資源依存率となっている。地球温温暖化問題に加え、安全保障上の問題、貿易赤字の問題など様々な課題を生み出している。再生エネルギーはもっと増やしていく必要があるが、今の技術では安定電源にすることは難しい。先行していたドイツなどでもコストの問題などから、政策を転換した。また、ドイツは隣のフランスで発電した電気を購入したり、自国の石炭資源を活用した火力発電を増やすなど、国情も全く異なる。我が国で、闇雲に増やして行けば国民県民負担だけがのしかかりかねない。
滋賀県はものづくりを中心とした産業で付加価値を生み、関西で一割の電力を消費する。
その一方で、水力や太陽光など県内で生み出す電力は〇・一%にすぎず、他府県に依存している。福井県などの電源立地地域に寄り添い、経済社会を支障なく展開できるためのエネルギー政策を確立していく必要がある。







