新成長戦略素案は「大企業重視」と批判
◇全県
嘉田由紀子知事は十七日の定例会見で、石原伸晃環境相が東京電力福島第一発電所事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設建設をめぐり、福島県側との交渉について「最後は金目でしょう」と述べたことについて、「故郷を追われたり、家を失ったりした方々に寄り添った発言とはいえない。大変残念だ」と憤った。
嘉田知事は原発利用に積極的とされる日本原子力学会元会長の田中知氏を原子力規制委員会委員に充てる人事が国会承認されたことについて「二十四年夏に大飯原発の三、四号機が稼働した後、規制委員会の設置法ができ、中立、公正で独立性を尊重した人事がなされるべきということで人事基準(ガイドライン)が設けられている。果たして今回の人事が公正、中立だったのかということについて責任政党の与党として説明責任を求めたい」と指摘した。
石原環境相が「民主党時代のガイドラインは考慮していない」と言ったことについては「耳を疑った。国会審議を経てつくられたものを考慮しないなら議会制民主主義に反する」と強い口調で述べた。
また同環境相の「金目」発言については、「お金で解決するということを環境政策の責任者である環境相には言ってほしくなかった」と批判。
さらに政府が産業競争力会議を開き、新たな成長戦略素案を示したが、この中で「原子力規制委員会が規制基準に適合すると認めた原発は再稼働を着実に進める」としたことについても、「そもそも原子力規制委員会の今回の人事だと、公正、中立が疑われる。万一、規制委員会の判断が信頼できるとしても、実効性ある避難計画、多重防護の計画ができなければ、再稼働をした時に被害を受ける地元としては大変困る。大企業を重視して、大型の技術開発をするのも大事だが、それよりもいまの日本で欠けていて、国民が最も求めているのはなになのかが、この成長戦略の中に反映されていない」と述べた。
具体的には「もちろん国際競争力を発揮するということは大事だが、それを担っているのはひとだ。そのひとがまず生まれにくいという人口減少が、一番の問題である。若い人たちは子どもが産めない、家族が持てない。安倍晋三首相が成長戦略素案の中で女性の活用とか、少子化対策とか言っているが、それは国民の幸福を本当に求めてのものなのか。そうでなく経済的に単に働かせるだけのものなら、それは女性の幸せにつながらない」と厳しい口調で語った。(石川政実)







