「戦争をする国にするのか」事実上の安倍信任選挙に
◇全県
十三日投開票の滋賀県知事選の終盤戦は、前民主党衆院議員の三日月大造氏(43)が加速してトップを走り、これを元経済産業省官僚の小鑓(こやり)隆史氏(47)=自民、公明推薦=が必死に追い上げる一方、、共産党県常任委員の坪田五久男氏(55)=共産推薦=がやや伸び悩む展開だが、大きな争点になっているのは、安倍政権が一日に閣議決定した集団的自衛権の行使容認である。【石川政実、高山周治】
小鑓陣営の衆院議員が街頭で「戦争をする国にするのか」と詰め寄られる場面も出ている。
「メディアの報道が拉致問題に移っただけに、集団的自衛権に対する県民の関心も今週には薄らぐ」(同議員)と楽観論もあるが、党本部の危機感は強い。
三日昼ごろ、自民党県議全員の携帯電話に石破茂幹事長から「今回の選挙は絶対負けられない」と電話がかかった。
これを受け、河村建夫選対委員長は翌四日、県議を招集し緊急の選対会議を開いた。県議から「集団的自衛権は知事選に影響があるのでは」との声が出たところ、河村選対委員長は「だから選挙に勝たないといけないのだ」とぶ然と切り返したという。
三日月氏は三日、守山市で開いた個人演説会で「集団的自衛権の行使容認を、こんなに簡単に閣議決定していいのか」と激しく批判した。
弁士に立った菜の花プロジェクトネットワーク代表の藤井絢子氏も「父は昭和十三年から六年間、中国へ兵隊として行った。八十六歳で亡くなるまで戦争のことは一言も話さなかった。旅行でも絶対、中国に行かないと決めていた。しかし一度だけ雲南省へ行き、毎晩うなされた。『ものすごい数のしゃれこうべが飛んできて、寝れない』。この一言だけを母親に残して死んた。集団的自衛権で再びここへ(軍国主義に)戻るのか」と訴えた。
元教員で、「教え子を戦場に送るな」を信条とする坪田氏は、「戦争する国へ向かって集団的自衛権を容認するのは明らかに憲法違反だ。県内には饗庭野(あいばの)、大津の駐屯地があることから自衛隊員、県民も戦争に巻き込まれる」と憤る。
共産の市田忠義副委員長(参院議員)は三日、大津市内の演説会で「憲法解釈の変更は戦争をする国へ向かうことを意味し、歴史の岐路だ。国政選挙が二年先までないので、国政に対して異論を訴える機会がない。そういう意味で知事選挙ではどの候補に票が集まるかが、安倍政権への意思表示になる」と、坪田候補への支持拡大を求めた。







