滋賀県議会議員 井阪 尚司
福島原発事故の除染作業が長引いています。3年以上経った今も、野山に付着した放射性物質の除去の目処は立っていません。水で洗い流すか、土をひっくり返して飛び散るのを抑えるか、ゼオライト(土)に吸着させ搬出するか等の方法しかなく、原子力発電という科学の粋を集めた技術の割には、原始的な除染方法しか持ち合わせていません。
万一、若狭で原発事故が起これば、滋賀県も甚大な被害を受けます。原子炉が損傷しなくとも、貯蔵されている使用済み核廃棄物の漏れも心配されます。滋賀県は、防災計画の中に原子力対策を位置づけており、放射能飛散シミュレーションを公表しています。県琵琶湖科学研究センターでは、放射能が琵琶湖へ入った場合の影響について研究を進めています。しかし、除染方法の研究は無く、放射性物質は水の中では安定するとの域を超えません。
そんな中、東近江市のベンチャー企業が、安価なナノ鉄粉による新しい除染方法を開発し、各界から大変注目されています。先月、福島で開かれた日本環境放射能除染学会での発表に続き、今月、広島で行われる廃棄物資源循環学会でも発表されます。「次代を担う福島の子どもたちを救いたい。放射能除染を日本の技術にしたい。」この思いが、75才を超える社長を動かしており、有志が手弁当で協力しています。
今、原子力発電の再稼働と安全対策に話題が集中していますが、原子力発電を推進した国・電力事業者を中心に、自治体・経済界などが一丸となって除染技術の開発を積極的に行うべきです。そして、可能性のある研究や技術開発を大学や研究機関だけに任せるのではなく、可能性のある中小企業への支援もしっかり行うことが重要です。私も、人命を守る立場から、除染技術という夢の扉が開く手伝いをしていきたいと思います。






