参議院議員 林 久美子
アベノミクスに日本が沸いてから二年近く。「国からお金が降ってくる」と満面の笑みで語っていらっしゃった業界団体の方々を思い出します。でも、果たして、アベノミクスで皆さんの暮らしは改善されたのでしょうか。将来への不安は払拭されたのでしょうか。
先月二九日から臨時国会が始まりました。アベノミクスの実態などについて、国会で議論が行われています。「景気の『気』は気分の『気』」と言う方がいらっしゃるように、何となく世の中の気持ちを明るくしたことは、安倍政権の経済政策の成果であると思います。しかしここにきて「ちょっと待てよ。本当に景気は良くなったのか」。「地域経済や地方に暮らす人々に光が当たっているのか。むしろ格差が拡大しているのではないか」――。国民の皆さんが気付き始めています。
アベノミクスには、五つの誤算があるのではないか――。前原誠司議員が指摘しました。
(1)輸出が伸びていない(2)量的緩和で金利を下げたにも関わらず、法人向けの貸し出しが伸びず、企業の内部留保が積み上がっている(3)名目賃金は上がっているが、実質賃金や実質可処分所得は減少している(4)物価上昇は「悪いインフレ(=コストプッシュ型インフレ)」になっている(5)財政出動による公共事業の増大が、かえって人手不足や入札不調を招き、震災復興などに悪影響を及ぼしている――。
さらに、昨年四月の党首討論の際に、安倍総理は「輸出において、経常収益も間違いなく今年度(二〇一三年度)は大体四・六兆円プラスになります。再来年度(二〇一四年度)は八兆円プラスになる」と答弁しました。しかし実際には二〇一三年度には八〇〇〇億円の黒字、今年度上半期は五〇〇〇億円の赤字になっています。この点も、大きな誤算であったと思います。グローバル化の中で企業は生産拠点を海外に移していたことは、明らかでした。企業の内部留保が増え賃金に還元されない仕組みになっていることも、わかっていました。円安によって海外製品が高くなり、消費税増税と併せて、物価上昇に賃金の伸びが追いつかないことが想定されるので、まずは確かな賃金アップから実現すべきだと、主張してきました。全国的な公共事業を増やすことで、被災地で事業を行う人手が不足するという懸念も指摘し続けてきました。
今起きていることは、格差の拡大です。アベノミクスによって株や資産を持っている人は豊かになったのかもしれませんが、一般のサラリーマンや年金生活者の方の生活はむしろ苦しくなっているのです。数字は語ります。平成二四年度から二五年度にかけて年収一〇〇〇万円超の人は一四万人増えましたが、年収二〇〇万円以下の人は三〇万人増えています。正社員の年収は五万円増えましたが、非正規社員の年収は二〇〇〇円減っています。
私たちは、格差の拡大に歯止めをかけ、資産家のみならず一般のサラリーマンや農業者、中小企業が元気になる社会を実現したい。子どもからお年寄りまで安心して暮らせる日本をつくりたい。どんな壮大な理想も、たゆまぬ努力によって実現することができると信じています。皆さん、一緒に頑張りましょう!






