三日月知事「まずは河川整備」
◇全県
大戸川ダム予定地(大津市)の下流域住民でつくる大戸川ダム対策協議会(元持吉治会長)は十日、ダム本体工事の早期着工と河川改修の推進などを盛り込んだ要望書を三日月大造知事に提出した。
大戸川ダムの計画は、昭和二十八年八月の集中豪雨により流域一帯で死者四十四人、負傷者百三十人以上の被害に見舞われるなど氾濫被害が続いたため、昭和五十三年、利水や発電などの多目的ダムとして同市上田上牧町に計画され、大鳥居地区の住民が移転した。
しかし、平成二十年十一月、滋賀、京都、大阪、三重の四府県知事が事実上の中止で合意。これを受けて国は同二十一年、凍結の方針を決め、現在、同事業を検証している。一方、県議会では今年三月、昨年の台風18号による大戸川の氾濫被害を重視して、知事合意を見直すよう決議している。
要望書の内容は、▽大戸川ダム本体工事の早期着工と、大戸川の河川改修の推進及び適正な維持管理に努めること▽準備工事である付替県道大津信楽線を早期に完成させること▽地域住民の立場に立って、関係自治体との調整を図ること―となっている。
同協議会のメンバーからは「毎年、不安な気持ちで過ごすのは住民にとって苦痛」「ダムがあれば台風18号のような被害が起こらなかった」「下流域(京都、大阪)の安全を守るためにも必要」などと、早期建設を国へ働きかけるよう三日月知事に求めた。
これに対して三日月知事は、「まずは河川整備をしっかりやる」と従来の方針を説明し、ダム本体工事への考え方については「財政、効果の検証をしっかりし、時代に応じて考えないといけない。しっかり気持ちを受け止め、今後検証していく」と述べるにとどまった。
知事要望を終えて元持会長は「知事が代わってあらためて地元の思いを訴えに来た。知事からは『しっかり取り組む』という言葉をもらったので期待したい」と話していた。







