1区 大岡氏と川端氏互角の戦いへ 街頭演説重視の佐藤氏
衆院が二十一日解散され、十二月二日公示、十四日投開票の衆院選に向けて各党は本番モードに突入した。安倍晋三首相が「アベノミクス解散」と名付けた今回の総選挙は、集団的自衛権の行使容認、原発再稼働など争点が多岐に及び、安倍政権そのものの信を問うことになりそうだ。滋賀選挙区では、四選挙区とも自民と民主の候補予定者が競り合う展開になっている。そこで各選挙区の動きを追った。 【石川政実】
●維新票を狙え
「今回のような短期間の選挙は、『日頃の備え』と『初動』で決まる。七月の知事選直後から、私のポスター四千枚を1区の全域に貼った。しかし川端達夫氏は一枚もポスターを貼っておらず、一歩リードできた」。自民前職の大岡敏孝氏は十七日に大津市で開いた政経パーティーでの壇上で自信をのぞかせた。
今回、とくに力を入れるのは政策面。例えば争点の「アベノミクス」では、この成果について丁寧に説明する政策ビラを週末に全戸配布するといった戦術だ。
また前回の衆院選(平成二十四年)は、維新の候補者が約四万三千票を獲得したが、今回は維新が候補者を見送る公算大。この票の取り込みを図るため、「農協改革」「原発再稼働」などを明確に打ち出す構え。九万~十万票が目標だ。
●嘉田氏の執念が鍵
「川端さんが国対委員長に戻ってから、野党がまとまった。さすがだ」と語るのは、同氏を推薦する連合滋賀の松元光彦事務局長。
前回は、民主前職の川端氏が自民新人の大岡氏に敗れ、落選した。比例復活で再選した民主の三日月大造氏が、この五月に知事選出馬のため辞職。これに伴い、川端氏が比例近畿で繰り上げ当選し、党国対委員長に返り咲いた。
選挙母体は、大津市瀬田や高島市の後援会、出身の東レ労組、連合滋賀などが中心だが、ここに今回、先の知事選で三日月氏を当選させた政策集団「チームしが」(代表=嘉田由紀子前知事)の人脈が加わった。大岡氏と確執がある嘉田氏が動けば、前回から三万票上積みの九万票も可能だ。
二十八日午後六時からJR石山駅で決起集会を行う。
●若者感性でFBも
「安倍首相の経済政策の失敗は明らかであり、消費税再増税はきっぱりと中止させる。集団的自衛権、原発再稼働など安倍政権の暴走を許すわけにはいかない。比例は十万四千票(前回四万二千票)が目標」と共産党県委員会の奥谷和美委員長は鼻息が荒い。
同党新人・佐藤耕平氏の事務所の長田茂事務長は「弱冠三十二歳の若手のホープだけに若さを前面に出す意味でも、街頭演説を重視するとともに、ツイッターやフェイスブックも積極的に活用していく」と語る。
二十三日に大津市民会館で山下芳生書記局長を迎えて演説会を開催したが、公示前の事実上の決起集会になった。
この時期での書記局長来県は、滋賀選挙区に対する高い評価の表れともいえる。
2区 自民上野と民主田島が激突 追い上げ図る 共産中川
滋賀2区(彦根市、長浜市、米原市、東近江市の旧湖東・愛東町、愛知郡、犬上郡)は自民前職の上野賢一郎氏(49)、民主元職の田島一成氏(52)、共産新人の中川睦子氏(56)の三つ巴。
上野氏は内閣で国交大臣政務官の要職を務め、地元でも着実に足元を固める。七月の知事選は自民候補が敗れたが、上野氏の地盤2区は接戦に。衆院解散後は、支持者やイベントのあいさつを精力的に回り、二十七日には選対を立ち上げる。「2区のキャリアは田島氏が長い。前回同様、挑戦者の気持ち」と気を引き締める。
一方の田島氏は、「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の日々だった」と、この二年間議席奪還へ闘志を燃やしてきた。手ごたえは解散風が吹き出した頃から感じる。「ビラを配っていると、引き返して取り直してくれる人もいる」と鼻息は荒い。元秘書らを呼び戻して態勢を整え、街頭演説とミニ集会へ走る。
中川氏は、「消費税増税は先延ばしでなく、きっぱり増税中止を」と、街宣中心に訴える。二十九日に彦根市で事務所開き、十二月七日には紙智子・同党参議員を招いた演説会を長浜市で行い、小選挙区と比例区を連動させ2区で二万票を目指す。
(高山周治)








