滋賀県庁舎の魅力に迫る一冊
サンライズ出版(彦根市)は、戦前期最後の建造物で傑作とされ、国の登録文化財の答申を受けた県庁舎の魅力に迫った「『滋賀県庁舎の本館』庁舎の佐藤功一×装飾の國枝博」(本体価格二千円)を出版した。
造形のほか、県庁舎の変遷、建設の経過を紹介
著者は、日本近代建築に詳しく県内近代化遺産総合調査を行った石田潤一郎・京都工芸繊維大学大学院教授と、多くの文化財建造物の保存修理に関わってきた県教委文化財保護課の池野保参事。
本書は、格調高い外観・内部の造形だけでなく、県庁舎の変遷、建設の経過などを、豊富な写真を交えながら紹介したもの。
例えば、明治期の庁舎を解体、新築する際、彦根町(現彦根市)への移転論争が再燃し、政府の介入でようやく収まった問題や、日中戦争の影響により鋼材をはじめとする建築資材が高騰し、四回の入札でも業者が決まらなかったこと、当初の設計は鉄骨造りだったのを鉄筋造りに変更して鉄材を三部の一節約したことなど、着工までの苦労話を紹介している。
また、重厚かつ端正な意匠でまとまった外観に目が行きがちだが、それとは対照的に階段手すりなどに施された繊細なレリーフなどの内装、そして秀逸とされる採光と動線を考えた平面設計の工夫についても分かりやすく解説している。








