滋賀県議会議員 井阪 尚司
地域社会の食とエネルギーの自立による美しく強い農村自給圏の形成を目的とする「スマート・テロワール」。松尾雅彦氏(元カルビー社長)が提唱する循環型地域社会の概念です。氏にお聞きすると、日本を約4千300万人ずつの「大都市部、農村部、中間部」に分け、さらに国土の80%を占める農村部を100~150ほどの小地域に分けて、それぞれが自給経済圏を確立することがこれからの地域発展に不可欠とのことです。これによると、東近江地域(日野・東近江・愛荘)は、近江八幡・甲賀・彦根地域を含めた農村部の一地域に属します。
さらに氏は、日本の少子高齢化と財政・貿易収支の解消の一策として、余剰農地の有効活用による新たな地域経済の構築を提案されています。農地をゾーニングし、米作を50%、残りを畑作(野菜、麦、大豆、トウモロコシ)と牧畜(養豚など)を行う場に転換して、食品加工場を稼働すれば新たな雇用が生まれるとする内容です。消費者に対応した氏の農業政策提案は頷けます。
一方で、食と農のブランド化と六次産業化の流れがあります。「安全、健康、食味、愛情、環境」をベースに、住民参画まちづくりの動きです。これに関して、いきものみっけ全国交流会「自立・自活したまちづくり~誇りあるまちを住民の手で、どう創っていくか~」の中で、高野誠鮮氏(総務省地域力創生アドバイザー)から、特別米をローマ法王に送ったり、農の六次産業化を進めたことで限界集落が立ち直った事例を紹介いただきました。さらに地元から、地元野菜の給食提供、古民家レストランでジビエ料理を提供、日野菜をドレッシング等に加工販売、無農薬・有機肥料米による特別酒製造、食材とエネルギーの地産地消を「物・人・場」を福祉モール化して実現されている事例などを紹介いただきました。いずれも、スマート・テロワールや藻谷浩介氏(日本総研)の『里山資本主義』に通じるものがあり、東近江地域の「夢をカタチに」できるポテンシャルの高さに注目しました。
いよいよ、政府による「まち・ひと・しごと」地域創生事業が始まります。一方で、6学級以下の学校を統廃合の対象とする議論がなされています。私たちは、住民による地域づくりに立脚して、50年先を見通した滋賀モデルを東近江地域から提案したいものです。






