揺れ動く自民党県連の除名問題
◇全県
昨年十二月の衆院選で、A市長などが党の規律を乱す行為をしたとして、自民党県連は三日、党紀委員会(河本英典委員長)を開催したが、県連役員の間からは(1)同委員会開催は手続き上、瑕疵(かし)がなかったのか(2)統一地方選目前に除名処分などを行う必要があるのか―などの意見が出ている。県連では今後、総務会を開き、審議することになった。 (石川政実)
三日の党紀委員会では、先の衆院選で、自民党員であるA市長が、野党候補の新聞折り込みの号外に支援の寄稿文を掲載したことは、党の規律に背く行為にあたるとして除名処分が相当とした。
また県連部長のB氏については、部長という重責にありながら支部会議(兼選対会議)を全て欠席するなどの行為があったとし、役職辞職を求めて、従わない場合は役職停止にすると決めた。
C県議は、衆院選期間中に自身のブログに党の政策批判を行ったとして、党則順守の勧告を行うとした。
県連の役員は「先月十九日の役員会で、唐突に県連事務局から三人を党紀委員会に諮りたいとの説明があり、出席した役員から『各支部などを通じて、文書で処分を求める申し立てをするのが普通だが、それがないのに党紀員会に諮(はか)るべきでない』との指摘が出て、大半がこの意見に賛同した」と語る。
ところが今月三日の党紀委員会に対し、B部長については市議団から処分を求める文書が出たとされるが、A市長とC県議については文書で支部などからの提出がなかった模様だ。
清水克実県連事務局長は「国会議員、県会議員、支部長は、反党行為をしたと認めれば処分を求めることが出来るという県連規約で、党紀委員会を開催したもの」と説明する。
しかし佐野高典県連幹事長は「(役員会の決定では、文書提出によって党紀委員会を開くとしたのに、それがない中で)党紀委員会が開かれたのを聞いて驚き、四日朝に清水局長になぜ開催したのかと質した。今後は総務会を開いて審議したい」と困惑する。
A市長は「先の衆院選で野党候補の応援はしていない。号外の寄稿は、野党候補から要請があったからで、自民候補から要請があれば同じように寄稿したはずだが、それがなかった。たとえ党員であっても、首長の立場は少し違う。僕を処分すると言うなら、先の衆院選で二階俊博・自民党総務会長が、山梨2区から無所属で立候補した長崎幸太郎前衆院議員を応援したのに、なぜ処罰されないのか。僕の除名処分を行えば、当市の自民県議から支持者が離れ、県議選は無風から選挙戦に一転する」と懸念した。
B部長は「昨年十月に手術をして十二月まで動けず、衆院選では十分に活動出来なかった。それなのに事情聴取もなく、いきなり部長を辞めろと言うのは理不尽だ」と憤る。
C県議は「申し開きのための聴聞もせず、党紀委員会に諮ったのは極めて遺憾。ブログで『アベノミクスは地方にまで波及していない』と書いたことが反党行為とされるなら、政策議論もできない。ただ党紀委員会にかけられたのは、不徳の致すところであり、深く反省している」と言う。
他の県議からは「C県議のブログをみたが、目くじらを立てる内容でない。むしろC県議の公認決定を邪魔したり、別の候補擁立を模索したりと、ことあるごとに同県議の足を引っ張ろうとする人物こそが問題」との声も出ている。







