国の文化財に登録
◇全県
文化庁の文化審議会は十三日、「木造獅子狛犬」一対(大津市 宗教法人若松神社)など重要文化財三十九件、「龍谷大学瀬田学舎樹心館」(大津市)や「小泉家住宅」関連十四件(東近江市)など登録有形文化財百七十一件、国宝二件を新たに登録するよう下村博文文部科学大臣に答申した。県の重要文化財は六百三十七件、登録有形文化財は三百六十七件となる。
若松神社の「木造獅子狛犬」(大津市歴史博物館寄託)は、獅子が高さ七十一センチメートル、狛犬が高さ七十二・八センチメートルで、平安時代の作。主要部分はヒノキの一木造。上体を立て、胸を張って蹲踞(そんきょ)する中国唐時代の作風は奈良時代以来の伝統形式で、たてがみが低く平らに流れ、優美な曲線の体のラインに平安時代後期の様式が見受けられる。獅子が頭部をかしげ、顔を左斜め下に向けているのは中国宗時代の絵画や彫刻に見られる。平安時代にさかのぼる獅子狛犬は希少で、国文化史上も貴重。
「龍谷大学瀬田学舎樹心館」は、明治十八年に大阪南警察署庁舎として建設後三回の移築を経て、平成六年に龍谷大学瀬田キャンパスへ。木造二階建、寄棟造桟瓦葺で、外壁が下見板張。玄関ポーチに西洋風の彫刻や装飾が施されている。移築を重ねながらも当初の姿がよく保存され、擬洋風建築の趣を現在に伝える。
「小泉家住宅」(東近江市五個荘山本町)は、天保十五年築の木造二階建「主屋」、慶応二年築の木造平屋建「座敷棟」、大正期建築の木造平屋建「新座敷棟」、明治四十二年頃築の木造平屋建「小洋館及び丁稚部屋」、明治三十九年頃築の木造二階建「洋館」、天保十五年築の土蔵造二階建「小家蔵」と「辰巳蔵」、明治四十二年築の土蔵造二階建「文庫蔵」、明治四十年頃築の木造平屋建「納屋」、大正四年頃築の木造平屋建「下便所及び中門」木造・土塀「表門及び表塀」=以上、有限会社小泉商店所有=、江戸末期築の土蔵造二階建「大土蔵」と「米蔵」、昭和十三年築の木造・土塀「裏門及び塀」=以上、個人所有=の十四件。約六百坪の近江商人本宅。
主屋は四間取型で、二階にも座敷飾の整った居室をもつ。座敷棟を接続し、時代に応じて新座敷棟、小洋館などを増築している。土蔵群のほか、附属建物、門や塀といった一連の屋敷構えがよく残っており、各時代の技術が生かされた良質の建物群で、保存状態も良好。建築関係の史料も残り、近江商人本宅の発展や整備過程を知ることができる。










