参議院議員 林 久美子
昨年一月にNHKの会長に籾井会長が就任して以来、私が所属している総務委員会では、頻繁にNHK問題が取り上げられるようになりました。私も日頃からNHKの皆さんとはお付き合いがありますが、国会まわりの担当者や記者さんたちは、非常に熱心に仕事をしておられます。にも関わらず、会長の発言や行動によってその信頼が揺らいでいるというのは由々しき事態です。そんな思いで、先日、NHK問題に関する集中審議で、私も質問に立ちました。
私が取り上げたのは、今年一月に籾井会長が私的なゴルフに行く際のハイヤー代金およそ五万円を二カ月以上にわたってNHKに立て替えさせていた問題です。この事実は内部告発があり、NHKの監査委員会が動き、三月中旬に報告書をまとめました。NHKには会長を任命し罷免する権限をもつ経営委員会が置かれています。そして経営委員の内三人が監査委員を兼ねています。経営委員会も監査委員会も、放送法という法律に基づいて設置されています。しかし放送法によって置かれている監査委員会による今回の報告書が、あまりにもずさんで、信頼に足らないものでした。例えば、籾井会長への事実関係の聞き取りを監査委員が一人で行なったり、監査対象者の職務やポストを明らかにせず、ハイヤー手配に関わった秘書室の職員九人のうち三人からしか聴取していなかったり、監査委員ではなく何の権限もない監査委員会事務局の職員が聴取していたり…。そもそも疑義のある人に対して一対一で聴取するなどということが許されるはずもありません。口裏合わせをすることも可能ですし、事情聴取する対象者を打ち合わせることも可能になってしまいます。そのようなことはなかったと信じたいですが、残念ながらそれを証明するだけの答弁はありませんでした。さらに今回の報告書は、再発防止を求めるに留まっていますが、放送法第七三条には『協会の収入は、第二〇条第一項から第三項までの業務の遂行以外の目的に支出してはならない』と定められています。つまり、NHKの収入は、第二十条第一項から三項に挙げられている、テレビの放送や調査研究、衛星放送、放送設備等以外には、支出してはならないとされています。籾井会長への立て替えによって支出されたハイヤー代は、これらの何に当たるのか、当たらなければ放送法違反になるのではないかと指摘しましたが、この点についても明確な答弁はありませんでした。
そこで、NHKの監督官庁である総務省の高市大臣に提案しました。NHK会長を任命する経営委員会は会長の身内的存在であり、その経営委員が監査委員を兼ねて会長の行為をめぐる監査を行うことに、そもそも無理があるのではないか。今の仕組みでは、監査の独立性が保てない。この際、監査委員会を独立させるべきではないか。受信料によって成り立っている公共放送であるからこそ、より厳しく自らを律しなくてはならないのではないか――と。総務大臣は現在の仕組みが望ましいとしましたが、NHKへの信頼を回復し、監査機能を強化するためには、監査委員会の独立こそが必要であると思います。
引き続き、問題点を指摘しつつも、批判だけではなく提案型の質問を続け、新たな仕組み作りを求めていきたいと思います。






