滋賀県議会議員 井阪 尚司
少子高齢化と格差社会が、地域の在り方を大きく変えそうです。増田寛也元総務相が代表を務める日本創成会議が、人口減少と少子高齢化による消滅可能性自治体を公表したのは昨年5月。未来社会に対するショッキングな内容でした。自治体の中には、人口減少対策や地域創生に関するプロジェクトチームを立ち上げるところが出てきました。滋賀県議会でも、本年度より地域創生に関する特別委員会が設置されたところです。
そして、本年6月、同会議は「東京圏高齢化危機回避戦略」で、東京圏の高齢者の地方移住環境の整備構想を発表しました。人口減少が著しい地域にとっては、人が増えることは介護する雇用につながり、医療福祉産業を活発にして地域創生に役立てられると受け止めた地域もあることでしょう。一方で、我が国は、都市の問題を地方に押しつける論理から脱却していないとの指摘もあります。
今までにも都市の負の問題をお金付きで地方へ持って行く話はありました。安全と言っていた原子力発電施設は地方にあります。東京の処理しきれないゴミを地方に持って行ったこともあった話も聞きました。しかし、都市部の高齢者の地方移住を、自然豊かな所で余生を送ろうとの名目の下、負の文脈で構想するのは人生観や尊厳の面からも良くありません。
一方で、格差社会の視点から見ると困った問題を内包しています。地方の社会保障費は増加しないか。医療体制はどうか。老人介護施設は、相部屋から個室部屋へとシフトしていますが、それに伴って入所費用が倍以上になっており、年金だけで賄えない人が多くおられる中で都市部の富裕層の流入により地域の方の入所希望を圧迫しないか。介護士不足を、外国人介護人材の雇用に頼ることで、地方における地域文化の継承と教育をどう充実していくのか。そして、学校の統廃合を進め、校舎を福祉施設の活用に充ててはという意見等々。待ったなしです。議論を尽くして、地域の限界点を超えない良策を考えたいものです。






