ローカルボイス 労働者派遣法が可決。熟議の国会を。
九五日間という過去最長の会期延長がなされた国会も、残すところあとわずかとなりました。この原稿を書いているのは、九月九日ですので、掲載予定日の十七日には、かなり緊迫の度合いが高まっていると思います。
振り返ると、この国会で大きな注目を集めたのは、安全保障関連法案と労働者派遣法の改正案ではなかったでしょうか。このうち、労働者派遣法は、衆議院で可決されてから六十日を超えても参議院で審議が続けられ、その間に、法案の施行予定日である今月一日を超えてしまう事態となりました。今回の労働者派遣法改正案の大きな問題は、一生涯、低賃金で派遣労働という方々を多くつくり、雇用環境がさらに不安定になるということです。これまで、派遣労働者は原則一年、最長三年という期間の定めがあり、あくまでも臨時的な措置とされていました。しかし改正案では、この期限を事実上撤廃することになり、一生、正社員になれない派遣社員が増えてしまうと予想されます。
確かに、企業にとって人件費は負担になっています。正社員を雇用するということは、社会保険料、一時金、退職金など固定費として大きな支出が避けられません。一時的にそうした負担を避けようと、正社員ではなく派遣労働者で代替してしまう気持ちもわからないではありません。しかし、それでは本当の意味で、経済や企業の発展にはつながらないと思うのです。人間は企業の「コマ」ではありません。それぞれに家族がいて、生活があり、人生があるのです。ですから、安定的な雇用こそが働く人々のモチベーションをあげ、社会への貢献意識の高まりにつながっていきます。実際に、アルバイトやパートの割合を減らし、その分「四時間正社員」という新たな制度を導入した経営者は、労働生産性がアップしたと言っていました。つまり、労働者保護ルールを改悪し企業の一時的なコストダウンにシフトするよりも、労働者の立場に立った制度を維持・発展させることが、むしろ労働生産性を高め、企業利益の向上や経済成長に資するのではないででしょうか。
私たちは労働者派遣法に反対しましたが、与党の賛成多数により可決されてしまいました。しかも法案には、採決にあたって三九項目もの付帯決議がつけられました。まさに法案の欠陥を認めている証左ではないでしょうか。このような欠陥法案が数の力によって可決されたことに忸怩たる思いはありますが、もう一度、国民の皆さんとともに歩む熟議の国会をつくっていくため、全力で頑張ります。






