庁舎問題で福井市長に対し遺恨深まる
高島市庁舎を合併協定通り、条例に基づき「今津町」に新設するのが当然なのに、市が「新旭町」(旧新旭町役場)の現庁舎増改築の基本設計費などに約三千七百四十六万円を今年度予算として計上し執行するのは違法な公金の支出に当たるとして、今津町民などでつくる住民グループ「高島はひとつの会」(釆野哲平会長)のメンバーらが八月十七日、住民監査請求を行った。監査委員会が却下すれば、住民らは訴訟を起こすものと見られる。このような中、今津町やマキノ町の有志は合併を解消するための勉強会を開始した。 【石川政実】
平成十七年に、市北部のマキノ町、今津町、南部の新旭町、安曇川町、朽木村、高島町の五町一村による対等合併で「高島市」が誕生した。この合併協議で本庁舎を「今津町」に新設することが決まっていた。当面の庁舎は、現在の旧新旭町役場になった。
ところが二十五年一月の市長選で、本庁舎新設の凍結を訴えて初当選した福井正明氏は、現在使用している旧新旭町役場の改修案を打ち出したことで"南北対立"が表面化。
今年四月十二日に「住民投票」が行われ、旧新旭町役場増改築案への賛成が多数を占めた。
しかし同月二十七日、庁舎位置を今津町から新旭町に改正する条例案は可決に必要な三分の二以上の賛成が得られず、否決された。これで同様の条例改正案は三回否決となった。
福井市長が住民投票を行ったこともあって、「福井氏によって地域間の溝が深まった。強引な福井市政は、絶対に許せない」(今津町の市議)という声が北部で広がっている。
このため、今津町やマキノ町の有志はこのほど、市から分離・独立を図ろうと、廃置分合のなかの「分割、分立」についての勉強会を開始した。
「分立」は、例えば高島市が、高島市と今津・マキノ町に分かれるもの。「分割」は、例えばマキノ・今津町と新旭町・安曇川・朽木・高島町の二町に分かれて市が消滅するため、総務省との協議が必要だ。
具体的には、「分立」の場合は、市議会で市の廃置分合の議決が得られれば県(知事)に申請書を提出し、県(知事)が県議会にかけて議決されれば、「分立」されることになる。
もっとも市議会は現在十九人で、このうちマキノ・今津組で賛成に回るのは七人だけに、否決される公算が大で、ハードルは高い。
住民グループらは県や国にも市を指導するよう要請する構えだ。
また再来年の市長選に向けて福井氏の対抗馬擁立を急ぐ一方、平成の合併後、全国で初めての「分立」「分割」も視野に入れ始めた。
「夫婦の間がこじれて、もはや元のさやにおさまらない状況だ」と今津町の住民は憤っていた。





