自治刻刻 爽やかな登山家夫妻との出会いを通して
先日世界的なクライマーである山野井泰史・妙子御夫妻が東近江市役所を訪ねてくださいました。奥さんの妙子さんが旧能登川町の御出身で、能登川中学校、八日市高校を卒業されたという御縁と、高校時代の同級生(市職員)の仲立ちでお目にかかる機会を得ました。
数年前、御夫妻は愛知川上流の神崎川でシャワークライミングをされたことがあり、川の白さと清流の美しさが印象に残っておりとても楽しかった、と鈴鹿の山の印象を笑顔で話され、鈴鹿の山をもっと知ってもらわないともったいないとの助言をいただきました。
おふたりは最強の登山家夫婦と評されますが、必ずしもその山の知名度や標高にこだわるのではなく、自分たちにとってクライミングが楽しいかどうかが大切であるとも話され、岩や山に向かい登っていることそのものに充実感を覚え、その充実感を得るために登ってるのかな、とおっしゃる表情はとても無邪気で、あの過酷なヒマラヤのギャチュンカン(7,952m)から凍傷でほとんどの指を失いながらも奇跡の帰還を果たした「つわもの」とは思えませんでした。
私たちが忘れていた上質の「あそび」をそのまま極上の時間として捉え充実しておられる姿、自然を愛し楽しむ子どものような純粋さを持ち続けておられる爽やかなおふたりに接し、久々に清涼感を味わったひとときでした。
東近江市は、鈴鹿の山から琵琶湖までつながる市域において、未来に向けての施策を推進しようとしています。いまそこにある自然や先人が築いてきた文化を活かしていく中で大切なことは「いごこち」の良さを感じることではないでしょうか。そして、この「いごこち」は持続可能なものでなければなりません。息の長い施策になりますし、根気と労力、財源も必要ですが、誰かがどこかで始めなければならないものなのです。
山野井御夫妻を迎え話をさせていただく中で、私の思いを重ね合わせ、笑顔を絶やさず、肩の力を抜くことの大切さと私たちの足もとにこそ宝物があることを改めて気づかされました。
一度冬の鈴鹿を縦走してみたいな、と最後に泰史さんはつぶやいておられました。






