自治刻刻 パリのテロ事件
11月14日(日本時間)フランス・パリにおいて130人にものぼる死者を出したテロが発生しました。フランスにおけるテロとしては過去最悪の事件で、犯行はIS(イスラム国)によるものとされています。
私たち日本人はこの事件について、遠いヨーロッパでの出来事であり関係のないものと考える人が多いのではないかと思います。しかし、過去において日本でもイスラム原理主義者によるテロが発生しているのです。1991年筑波大学でイスラム教を侮辱する小説の日本語訳版を出版した助教授が殺害され未解決となった事件は、イスラム原理主義者のムスリムによるテロであったとされているのです。
いかに文明が発達し、科学至上主義とも言われる世界になろうとも、宗教に帰依して生きている人々が多いことも事実であるのです。私たち日本人は一般的には仏教徒と言われますが、厳密に言えば本来の意味における仏教徒ではなく、言わば風俗、習俗、慣習の表現様式として日本式の神や仏の形をなしているものではないかと考えます。巨木や太陽や月にまで手を合わせ神格化するというようなことも、信仰と宗教は別のもので、世界でも稀有な八百万の神をあがめる多神教の民族であるなどと言われます。これに対しキリスト教やイスラム教のように唯一絶対神を政教一体で信奉する一神教民族は、信仰と宗教が一致するわけです。
このように、宗教に対する考え方に相当違いがあるため、宗教上の相互理解の難しさを感じることが多いのです。しかし、世界に10億人いるとされるイスラム教徒が、自国の発展に伴い観光等で日本へも多く来ています。イスラム教で定められた礼拝やハラールなど、受け入れる側の私たちはこのような習慣を理解し、イスラム圏の人々すべてが決して超過激なイスラム国のような人々ではないことを認識しておくことが必要です。そのうえで、遠いフランスでの事件は、この国のありようには関係なく私たちの国でも発生する可能性は十分あることを認識し、広い意味での危機管理意識を持っていなければならないと考えます。






