県政NOW 「下流老人」を防ぐために。
『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』という本が二十万部以上売れています。先日、その著者であるNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏の講演をお聞きする機会がありました。2011年のOECDの調査によると日本の相対的貧困率は16.1パーセントで高齢者の貧困率はさらに高く22.0パーセントになり、まさに高齢者のうち5人に1人は貧困ということになります。そして、単身の高齢者の貧困率はさらに高くなります。藤田氏の話では「下流老人」の定義は生活保護基準相当で暮らす高齢者及びその恐れがある高齢者で、全国で700万人以上いるとみられます。その暮らしぶりは家族や友人がおらず、年中部屋に引きこもってテレビを見て過ごし、インスタントラーメンや卵かけごはんで飢えをしのぐという状況です。
また、年金が足りないために働く高齢者、そして、最低賃金が低いために過酷な労働に従事するなど雇用問題の課題も見えてきます。高齢者雇用の充実とその労働環境の改善の必要性が今、問われています。
藤田氏によると下流老人の特徴として(1)収入が少ない(2)十分な貯蓄がない(3)頼れる人がいないという三つの「ない」があります。
私はこの中で収入が少ない、つまり年金が老後の生活を保障していないということが特に大きな問題であると思います。平成26年の高齢社会白書によると老後に受け取れる年金月額は多くの人が国民年金と厚生年金をあわせても13万から18万円であり、受給額が生活保護基準に満たない人も数多くいます。
こうした状況にもかかわらず私たちの年金の原資をリスクの高い株式に投資して大きな損失を出している今の政権に対して怒りを覚えています。これがアベノミクスの株高を支えるための投資であればなおさらです。また、低所得者の住まい不足など都市部の住宅問題は深刻であり、公営住宅の整備をはじめとする高齢者の住宅費の負担軽減が求められています。
そして、さらにこの問題を深刻化させているのは「若者の老後が危ない」ということです。藤田氏の指摘によると非正規雇用の若者は将来下流老人に直結し、また男女の生涯未婚率の推移により将来1人暮らし高齢者は増加します。
まさに下流老人を防ぐには高齢者対策だけでなく将来を見据えた若者対策も重要ということです。こうした課題にひとつひとつ取り組み、すべての人に居場所と出番のある共生社会をめざしてこれからも行動していきます。






