田んぼで育つびわ湖の魚
◇近江八幡
西の湖に近い近江八幡市安土町常楽寺地先の水田で20日、魚の放流体験とびわ湖の魚の学習会が開かれた。
魚の餌となるプランクトンが豊富な水田は、びわ湖の魚が生まれ育つ「ゆりかご」として知られ、中でもびわ湖や内湖に近い水田は、昔から魚の産卵からふ化、稚魚から成魚に成長し、数年すると戻ってくることが知られている。
近年は、土地改良が進み、魚がびわ湖から田んぼまでのぼって来る水路は少なくなっているが、同地区ではそうした水環境が一部で保たれている。
水田がびわ湖の魚の「ふるさと」になっていることを子どもたちに体験を通して知ってもらおうと、県水産課が2012年から毎年催している。今回は、親子づれを中心に県内各地から38人が参加した。
参加者らは、グリーン近江農協安土カントリーに集合したあと、琵琶湖博物館の魚の専門家から「どうしてびわ湖の魚は水田で育つのか」や「何を餌にして育ち、いつびわ湖に帰るのか」などの解説に耳を傾けたり、水槽の中の魚の種類やミジンコを観察した。
このあと、徒歩で近くの田んぼに向かい、23~27アールの3か所の水田に、ホンモロコ、ニゴロブナ、ゲンゴロウブナそれぞれ10万匹をバケツに移し取り、苗が植わった田んぼに「大きくなってね」と祈りながらゆっくり放流した。
カントリーに戻った参加者たちは、用意された湖魚の佃煮やホンモロコの炭火焼き、鮒ずしを味わい、びわ湖の恩恵にふれた。
県の試験放流では、放流した稚魚は1か月後に体長2.5センチメートル前後に成長。夏期の中干しで水田の水を抜く時に一緒に川に流れ落ち、放流量の約3割が水路や川を下ってびわ湖に入り成魚になることが分かっている。
ここ数年のこうした取り組みが奏功し、西の湖をはじめ内湖でホンモロコが増えている。








