国政刻刻 ふるさと納税
云うまでもなく、税は国家の屋台骨である。税なくしては国も地方も民主主義さえも成り立たない。わが国には多くの税があります。所得税、住民税、固定資産税、消費税、自動車税・・・。さて、表題のふるさと納税ですが、これは制度名であってふるさと納税という税があるわけではありません。平成20年にスタートした時の基本的な考え方は「地方に生まれ育ち、義務教育を受け大きくなったにも関わらず、成人後、住民税は住所地である都会で払っている。少しはふるさとに恩返しをしてもいいのではないか」というのが本旨である。ところで、税にはいくつかの原則があるが、先ず、徴収された税はその使途を問われない(つまり納税者は税の使い道を指定できない)。更に、税の支払先を納税者が選ぶことは出来ない(いくら「ふるさとへの思い」があっても、納税者は納付先自治体を選ぶことは出来ません)。また、自治体で徴収した税は地方間移動が出来ない(地方交付税という形で国が交付している)。従って、自治体への寄附行為という形でふるさと納税が始められたわけである。しかし、制度が進むにつれて自治体間の寄附獲得競争が激しくなり、返礼品も多様化、高額化するなど当初には想定されなかった制度のひずみが生じ、自治体間で個人住民税の実質的な移転が発生し、租税競争(税率引き下げ競争)が激化しかねないという深刻な問題が散見されるようになった。そこで、本年度の税制改革において(1)寄附金の募集を適正に実施する団体(2)返礼品の割合が3割以下(3)返礼品は地場産品に限る、この3つの基準に適合する自治体をふるさと納税の対象として指定する旨の税制改革法案が、今国会で可決されました。ふるさと納税は、寄附行為により税の納付先と使い道を自分の意志で決めることができる画期的な制度であり、本来の趣旨である「地方の活性化」に向けた実効性をどのように確保するのかが根本的な課題となる。






