自治刻刻 森林資源をしっかりと後世に
先日、日本森林学会から東近江市の永源寺地区小椋谷と木地師文化が林業遺産として認定され登録を受けました。これは、東近江市の小椋谷と称される君ヶ畑町、蛭谷町、箕川町、政所町、黄和田町、九居瀬町の6集落を、轆轤(ろくろ)の使用をはじめとする独特の技術・習慣・制度が平安時代の古来から継承されてきた木地師文化の発祥地、中心地であることの価値が認められたものです。全国で33番目、近畿では、京都の北山林業、奈良の吉野林業に次いで3番目という「快挙」です。
国土の7割近く、滋賀県も東近江市も半分以上が森林です。昭和30年代後半から40年にかけてのいわゆるプロパンガス革命や高度経済成長を主たる原因として森林が捨てられた結果、大都市への人口集中現象が生まれ、中山間地域における深刻な超過疎化現象を生じさせ、国家としての基軸が傾いていると言わざるを得ないバランスの悪い状況をもたらしたものです。
しっかりと大地に根を張り十分な保水力を発揮していたケヤキ、トチやブナなどの広葉樹林が土砂崩れを防ぎ、その豊かな実りはシカやサルなどを森で生息させ、ヒトとの棲み分けもしっかりしていたものです。戦後の民法改正による法定相続により家というものが耐久消費財となり、スギやヒノキなどの植林中心の山に変貌し、さらに原木価格低迷によって、林業が生業として成り立たなくなったという悪循環をもたらしたものと言えます。
今回の林業遺産認定を機に、私たちは、全国に広がる森林を適正に管理してきた木地師文化の大きな価値に思いを致し、その意義を評価することによって、私たちの国が世界に誇るべき木の文化・森の文化を取り戻し後世に引き継ぐ契機になることを期待したいものです。
折しも、国や県において、森林環境税により森林の保全と活用に力を入れる方向が示され、三日月知事も山の健康に力を入れようとされております。
農林水産業が第一次産業として名実ともに国家の基幹産業として生業となる努力をしていくことが必要ではないでしょうか。






