国政刻刻 中国の夢
米中貿易摩擦が世界貿易体制を揺るがしている。背景にあるのは中国の台頭。最近、習近平国家主席が掲げるスローガン「中国の夢」が注目されている。その第一「興国の夢」中華人民共和国100周年の2049年までに経済や科学技術などの総合国力で米国を超え中華民族の偉大な復興を成し遂げる。二番目「強軍の夢」世界最強の米軍を上回る一流の軍隊をつくる。そして最後が「統一の夢」で、国家統一の完成、台湾統一。10年前に中国国防大学の劉明福教授(上級大佐)が出版したとされる。令和前後の30年スパンで見てみると、30年前(1988年)、各国のGDPが世界に占める割合は日本16%、米国28%、中国は2%、2018年、日本6%、米国24%、中国16%。中国のGDPはあと10年で米国に追いつくといわれる。2049年といえば今から30年後、中国は総合国力で米国を超える勢いを見せている。因みに中華とは「世界の中心」の意であるが、1400年前の唐の都長安(現在の西安)は人口100万人を擁し、日本からも遣唐使や留学僧、世界各国から商人が行き交う国際都市であった。『シルクロード経済圏構想「一帯一路」で世界とつながり、協力し、幸福をもたらし、人類運命共同体をつくることが最終目標』だという。100年に一度の激動の時代といわれる今日、企業は世界各国に生産拠点と部品工場を持ち、相互に深くリンクしている。それにしても、国家目標が台湾統一とは物騒な話ではある。台湾への武力侵攻は米国の軍事介入を招く。『だが、その時は中国の軍事力が米国を上回っているので全面戦争にはならないだろう』と。しかし、歴史はそうではない、北朝鮮・中国軍は米国の不介入を見越して38度線を超えたが、米国は国連軍として介入した。イラクのクウェート侵攻も湾岸戦争として記憶に新しい。地政学的に中国に近く、政治経済的には(安全保障も含めて)米国と緊密な関係にあるわが国にとって難しい舵取りが求められる。令和時代もこうした先行き不透明な新冷戦が続く。果たして「中国の夢」は実現するのか、はたまた、儚い夢に終わるのか。






