国政刻刻 令和元年の行く年に
令和元年も残りあと数日で大晦日を迎える。「行く年来る年」の除夜の鐘の中継には、日本の伝統と文化が感じられ、年越しのひと時に相応しい。
さて、年末恒例の2019ユーキャン新語・流行語大賞は「ONE TEAM(ワンチーム)」に決定、ラグビーワールドカップでの日本チームの大活躍は記憶に新しい。ところで、もう少し長いスパンで、この10年間で最も流行した言葉は?ずばり、「ハラスメント」ではないだろうか。毎年、いや毎日、この外来語を見聞きしない日はない。当初はセクシュアル・ハラスメントで始まったこの外来語も現在、パワハラ、モラハラ、カスハラ…と際限なく広がりはじめている。取り分け、パワハラについては、世代間の価値観の相違もあり、いささかの戸惑いもあるのではないかと思われる。技術の継承であれ、知識の伝達であれ、スポーツであれ、「教える」という行為には、何らかの強制力が伴わざるを得ない。そのための強制はハラスメントではない。山本五十六連合艦隊司令長官の「やってみて、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば人は動かじ」はあまりにも有名であるが、これには続きがある。「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」。パワハラの塊と思われている旧帝国海軍の元帥でさえ、これだけの気を遣っているのである。
人に教える、人を育てるのは難しい、実に難しい。ましてや、昨今のデジタル時代にあってSNSの影響はすさまじく、刹那主義が蔓延し、社会が余裕をなくし、寛容さがなくなりつつある中では。教える媒体もパソコンやスマホ、多様なソフトがあるが、人は所詮動物であり、生身の人間から様々な影響を受けて、人は育ち、育てられる。
令和元年の行く年にあたり、改めて、一年のご支援に感謝申し上げると共に、来る年が希望に満ちた年であることを願って止まない。






