今だからこそできる取り組みを「二五八祭」代替の事業を検討
【東近江】 新型コロナウイルス感染症対策が十分に確保できないとして、11月に開催予定だった「第44回二五八祭」の中止がこのほど決定した。農林水産まつりなど同時開催される「東近江秋まつり」全体の中止も発表された。二五八祭の主催団体となる公益社団法人東近江青年会議所二五八祭委員会の奥野紘己委員長は「コロナ自粛からまちのにぎわいを取り戻す象徴の祭りにしたかったが、どうしても今年の開催はリスクがあった」と断腸の思いを話す。
今年で第44回目を迎えるなど歴史は古く、毎年約4万人の来場者でにぎわう二五八祭。二五八(にごはち)との愛称で市民に親しまれ、名称の由来は諸説あるが、江戸時代に二日、五日、八日に市がたち、近江商人など商いで活気溢れたまちを、祭りを通して取り戻そうと青年会議所が中心となって開催したのが始まりとされる。「二、五、八にしときましょ(このへんで妥協しときましょ)」という東近江市周辺の方言も、言われの一つとなっている。
近年では、県下最大級のフリーマーケットや物販ブース、市内事業所と協賛した子どもたちが集う遊び広場を催すなど、温故知新で時代に沿った祭りを表現してきたが、今年は猛威を奮う新型コロナの影響で中止という苦渋の決断を迫られた。青年会議所によれば、中止は東近江市合併(2005年)以降は初めてという。
予定されていた今年のテーマは「Memories day~遊び、楽しみ、心に刻もう~」。奥野委員長は「振り返るような思い出があれば、まち全体への興味や関心、愛着へとつながる場所になる。全力で遊べる祭りをテーマにしたかった」と思いを話し、来場者の心に残る空間作りを6人の委員会メンバーとともに目指していた。
テーマに沿った様々な企画を昨年末から考えてきたが、協賛金の呼びかけや企画内容が固まる5月ごろになっても新型コロナの終息が見えず、また、自粛や感染防止対策もあって思うように活動ができなかった背景があった。委員会の田邉研人室長は「開催に向けた対策なども色々考えたが、懸念される第2波のことも考えると今年はリスクが大きかった」と中止への経緯を話す。
一方で、同青年会議所(金子英太郎理事長)では、輸血用血液不足に対応するための献血の呼びかけや、県下で先駆けてウェブ会議を活用するなど、「今だから出来ること」を掲げてコロナ禍に対応している。今年の事業を一度白紙に戻し、状況に合わせた事業展開を視野に入れているところだ。
委員会でも二五八祭の代替となる事業が実行できないか検討しているという。奥野委員長は「受け継がれてきた伝統ある祭りが開催できない寂しさがあり、苦渋の決断だった。今だからこそ出来る事業を検討しているので期待してほしい。来年はより良い祭りにします」と話している。







