国政刻刻 菅官房長官「縦割り行政の弊害をぶち破る」とダム運用改善を実績として紹介
9月2日、菅官房長官が自民党総裁選挙への立候補会見を行った。これまでの政策実績のひとつとして、省庁の縦割りを廃した水害防止のダムの運用改善を披露した。
ダムには、水害をふせぐ治水ダムに加え、農業用水や水道用水確保、発電のための利水ダムがある。湖東愛知川の永源寺ダムは100%農業用の利水ダム、野洲川上流の青土ダムは利水と治水の多目的ダムだ。ダムの管理者もそれぞれ異なり、これまで縦割りの弊害で、相互利用がなかなか進まなかった。
たとえば、2008年滋賀県議会で大きな議論になった淀川流域の治水を目的とする大戸川ダム建設に対し、1000億円もの巨額投資をするかわりに宇治市にある関西電力の喜撰山ダム(大戸川ダムとほぼ同じ容量)を活用したら財政的にも有利だ、と滋賀県、京都府、大阪府の3知事が国に提案した。しかし、国は関西電力管理を理由に利用不可能と回答。河川法52条を活用したらダム転用は可能だったはずだが、全くとり上げられなかった。
時を経て、一昨年の西日本豪雨や昨年の台風19号などでは治水ダム容量が不足し、緊急放流で死者も出た。そこで昨年から官邸主導により関係省庁横断の会議が設置され、全国の利水ダムを治水に転用する方針がだされた。結果、既存の治水ダムの全容量に匹敵する治水容量を確保できた。新規ダムをつくるとしたら数十兆円分にも相当するだろう。
6月3日の参議院の委員会で私は、今回の治水転用をダム管理の「コペルニクス的転換で大いに評価できる」と指摘し、喜撰山ダムの転用容量を聞き出した。国土交通省からは「関西電力と協議をして497万トンを洪水調節用に利用が可能となる」との回答。この容量は大戸川ダム計画容量の4分の1となる。条件さえ合えばもっと増やすことも可能だろう。
「縦割りの弊害をぶち破り、新しいものをつくる」と力説する菅総理が誕生したら、少子高齢化問題等の課題でも、縦割りを打ち破ってもらいたいと期待している。知事時代の政策経験を基に提案型野党として、今後も国会活動をすすめていきたい。






