国政刻刻 大戸川ダム事業について
さる1月21日、大阪府の吉村知事が平成20年に4府県の知事合意により凍結された大戸川ダム(大津市)について、建設を容認する考えを明らかにされました。建設費の地元負担割合が最も高い大阪府が容認を決めたことに、三日月知事も「大戸川ダム建設に向けた一歩だ」と評価されました。本体工事の凍結解除には6府県の同意が必要ですが、残された京都府では先月28日に検討委員会が開催されダム建設に前向きな提言案が示されました。京都府が容認されれば淀川流域6府県の合意が整うこととなり、国としては河川整備計画を見直しダム建設を含む原案を提示する流れとなります。
このように建設に慎重だった大阪府と京都府が建設を容認する背景には、昨今の激甚化する豪雨災害の状況にあります。平成25年の台風18号で大戸川は大津市田上地区や甲賀市信楽町長野などで氾濫し大きな被害をもたらしました。同規模の洪水が発生した場合、大阪府では約9兆円、京都府でも約3兆円の被害が想定されるというデータが、明らかになりました。平成元年に着工された総事業費1080億円の大戸川ダム建設事業は現在県道の付替工事が行われていますが、事業の進捗はすでに7割を超えほぼ本体工事を残すのみとなっています。残された工事負担金も、より治水効果の高い下流の大阪府が186億円を、京都府が128億円をそれぞれ負担され、滋賀県の負担金はわずか8億円に過ぎません。
今年完成する天ケ瀬ダム再開発事業、来年完成予定の川上ダム(三重県)とともに、大戸川ダムが完成すれば流域の治水安全度は飛躍的に高まります。そしてダムの効果で瀬田川洗堰の全閉操作が解消されれば、浸水による湖岸の農業被害などもなくなります。過去の誤った判断により随分と遠回りしましたが、一日も早い本体工事の着工が実現するよう努めてまいります。






