県政NOW 「土地規制法と私権の制限について」
第204回通常国会がさる6月16日に閉会しました。新型コロナウイルス対策や東京五輪・パラリンピックを安全に開催できるのか、など国会で議論すべき課題が山積する中で野党の会期延長の要求に応えることなく、150日間で国会を閉じた政府与党に対して国民の皆さんの不満はますます大きくなっていると思います。
そして、この国会の会期末に採決された「重要施設周辺および国境離島などにおける土地等の調査及び利用の規制等に関する法律案」、いわゆる土地規制法については私権や自由な市民運動が制限されるという懸念があり、日弁連や多くの市民団体が廃案を求める中で成立しました。
この法律は安全保障上重要な自衛隊の施設などの周囲1キロや国境離島を「注視区域」や「特別注視区域」に指定し、所有者の調査や規制をすることを可能にするものです。この法律の目的は自衛隊や米軍基地等の周辺の土地を外国資本が取得してその目的を阻害することを防ぐことなどが挙げられているようですが、そのような立法事実が本当にあるのか極めて不明確な状況です。
そして土地規制法の大きな問題は具体的な規制内容などが法律に明文化されておらず、その多くが政令などに委ねられていることから、運用によっては、憲法で定める基本的人権が侵害される可能性があることです。
また、土地規制法により政府が地方自治体の長などに広範な個人情報の提供を求めることができることとなっているため、地方自治体も決して無関心・無関係ではいられません。
この法律が施行されると区域指定などが恣意的な解釈により広範囲に行われる可能性があり、思想などの個人情報を本人の知らないうちに取得することが可能になってしまいます。
また、特別注視区域内の一定面積以上の土地等の売買契約については内閣総理大臣への報告が義務づけされており、罰則も設けられていることから財産権の侵害のおそれもあります。
地方自治体には住民の基本的人権や個人情報を守る責務があります。安全保障などの名目で住民の基本的人権が侵害されるようなことがあってはなりませんし、住民の自由な市民活動に制限をすることは憲法の趣旨に反します。
滋賀県にも自衛隊関連施設があることから今後どのような規制が行われていくのか、法律の運用を注視しなければならないと考えています。






