急ぎ若い世代のワクチン接種を クラスター対策以外の感染対策も重要
【全県】 新型コロナウイルス感染症の新規陽性患者が最多を更新した翌日、それを約1・4倍も上回る感染者数が発表されるなど、7月中旬以降、県内全域で感染が急激に拡大した。三日月大造知事は折に触れ「これまでにない危機感を県民と共有したい」と語る。第4波までとは異なる様相の第5波に対し、県にはこれまで以上の対策と強いメッセージの発信が求められている。(羽原仁志)
第5波では、若い世代の感染割合が高いことがこれまでにない特徴の一つに挙げられる。
県が第4波(4月1日~6月末)と現在(7月1日~8月1日)を比較するとして取りまとめた新規感染者数の年齢構成割合によると、特に20歳代が第4波全体の19・7%だったのが、現在は30・1%と顕著に増加している。一方で、第4波全体の12・3%を占めていた70歳以上が現在は2・2%と減少している。
県はこれに対し「高齢者や医療従事者の希望者へのワクチン接種がほぼ実施できたことも要因の一つ」と分析している。
若い世代へのワクチン接種を急ぐことが次の課題となっているが、仕事や学校などがあるため接種希望日に休日を選択する人が多くなり、予約がとりづらいことに加え、「感染しても風邪と同等の症状なら接種しなくても大丈夫」や「副反応が怖い」といった情報が広がり、県内でも接種率が伸び悩んでいる。
県では「若い人への情報発信としてSNSなどを活用していく」としている。三日月知事は「市町や職域など、いろんな機会で接種できる環境を作ることで接種を進め、集団免疫を獲得していくことが必要」とし、「ワクチンの効果や有効性、副反応についてしっかりと情報を出し、若い世代の行動に結び付けていく」と述べている。
また、第5波では、クラスター(感染者の集団)がこれまでのように多く発生していないのにも関わらず、感染者が急増したという特徴もある。
その原因として県は「確定的な根拠は調査中」とした上で「県内でもウイルスが従来の株からインドで発見された変異株L452R(デルタ株)に置き換わりつつあることも一因ではないか」と指摘する。
県によると、デルタ株は「従来株の2倍、水ぼうそうと同程度の感染力を持つとされる」とし、今月6日現在で「およそ7割程度は置き換わっていると推測できる」という。三日月知事は記者会見で「県内全域で市中感染が広がっている」との認識を示した。
県ではこれまで、クラスターに早期対応して封じ込め、市中への広がりを抑える方策をとってきたが、それだけでは現在の第5波には間に合わない。
三日月知事は「PCR検査も大変重要な要素になる。これまで以上に柔軟に対応していく」と述べている。







