国政刻刻 電力のひっ迫について
記録的な積雪が観測された彦根市をはじめ県内各地では年末年始には厳しい寒さと大雪に見舞われました。気象庁の予報によれば2月にかけて西日本地域では積雪に対するさらなる注意が必要と言われています。そうしたなか厳しい状況にあるのがこの冬の電力需給です。昨年の冬にもひっ迫した電力需給ですが、この冬は過去10年で最も厳しい状況が予測されています。例えば東京電力では2月の電力供給余力は安定供給の目安である3%をわずかに上回る程度で、もし想定外の事態がおこれば大規模停電につながりかねない状況です。また他の地域も4%を切る状況のため、各電力会社では定期検査を行う予定だった原発の検査時期を春に延ばしたり、停止中の老朽化した火力発電所を再稼働させて対応しています。
ではなぜ電力はひっ迫するのでしょうか。背景にあるのは世界的な「脱炭素」の動きです。現在わが国でも2050年に「脱炭素」を実現する目標を掲げ、火力発電から太陽光発電を中心に再生可能エネルギーへの転換を進めています。ところが太陽光発電は天候によって発電量が左右されるため各電力会社は火力発電による供給を増減させながら全体の供給量を調整しています。しかし再生可能エネルギーの発電量にあわせて火力発電の稼働率を変更すると発電効率が悪くなるため採算が取れず、結果的に火力発電から手を引く事業者が増え火力発電量は年々減少しています。そのため転換期となるここしばらくは電力需給の綱渡り状態が続く可能性が高いのです。「脱炭素」の動きを受けて火力発電の新設が停滞するなかで、安全性が確認された原子力発電の再稼働も遅れています。燃料となる石油やLNG(液化天然ガス)も高騰しており電気代も上昇傾向にあります。厳しい寒さが続きますが節電を心がけていただき、電力需給問題に対するご理解とご協力をお願いいたします。






