国政刻刻 北陸新幹線について
来春に金沢・敦賀間の開業が予定されている北陸新幹線の敦賀以西ルート問題がにわかに脚光を浴びています。発端は石川県議会のベテラン議員が「小浜・京都ルート」から「米原ルート」への再考を促す発言をされたことです。敦賀以西ルートに関しては6年前に「小浜・京都ルート」に決定されましたが、当初から指摘されていた課題が積み残されたままとなっています。このルートには、約60キロにも及ぶ長大なトンネル建設に伴う自然環境への影響や大量に発生する残土の処理問題などがあります。そして何より、当時2兆7百億円と見積もられた工事費用が昨今の物価や資材、人件費の高騰を考えると、本当はいくらかかるかわからないという大きな問題があります。当初の見積もりでは京都府が実際に負担する金額は約2千5百億円あまりですが、仮に工事費が3兆円になれば負担金は約3千7百億円にものぼり、経済波及効果を考慮したとしても地元京都府民の理解が得られるかは大いに疑問です。ルート決定の根拠となる費用便益費は、見込まれる利益を建設費で割ったものですが、建設費の高騰により目安の1・0を割ることは確実で、計画の見直しが必要ではないかと考えます。一方で、改めて浮上した「米原ルート」の約5千9百億円の工事費見積りは、確かに費用対効果は高く実現性はあるものの、湖西線が並行在来線となりJRから切り離されるといった課題もあり、滋賀県にとって手放しで喜べるといったものでもありません。
ここはいったん立ち止まり、北陸新幹線が敦賀駅まで延伸したときには、サンダーバードを敦賀駅で乗り換えて湖西線経由で大阪まで利用いただくことが最も現実的ではないでしょうか。在宅勤務が増えたことで鉄道会社は経営に苦しんでいます。整備新幹線のあり方について再考する時期に来ていると考えます。






