県政NOW 「これからの少子化対策」
いよいよ国においては次元の異なる少子化対策の実現に向けて様々な試案が示されています。滋賀県においても子どものために子どもとともにつくる滋賀県に向けて全庁挙げて取り組む「滋賀県子ども政策推進本部」が設置され、国や市町と連携しながら滋賀県独自の子ども政策を進めようとしています。
少子化対策として子ども政策を推進することが重要であるのは言うまでもありませんが、まずはこれまでの日本の少子化対策を検証する必要があると思います。このことについて「パラサイトシングル」「格差社会」「婚活」などの言葉を広めた家族社会学の山田昌弘中央大学教授が「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか」というテーマのインタビューの中で興味深い指摘をされています。
一つは日本とは家族意識や慣習の違うヨーロッパの対策の後追いをしたこと、そしてもう一つは日本の少子化対策が正社員、つまり正規雇用中心主義だったことを挙げておられます。つまり、雇用の非正規化が進む中で育児休業制度をはじめとする子育て支援策を受けられない人が増えているのに正社員と非正規社員の分断を放置したまま少子化対策をしても効果は出ないと言うことだと思います。また、山田先生は地方公務員を非正規化したことが、地方の少子化を深刻化させたとおっしゃっています。ご指摘の通り、今地方自治体では厳しい定員管理のもとで官製ワーキングプア―という非正規職員が増えています。当然経済的な理由で結婚を控える世代も多くなり、子どもの数も減らざるを得ません。このことは民間の労働現場でも起こっていることです。
子ども手当の増額や教育の無償化などは当然進めるべき施策でありますが、その財源を例えば今言われているように安易に社会保険料の増額で対応すると言うことであれば、実質賃金が目減りし、非正規雇用の人たちは益々結婚や子育てから遠ざかってしまいます。
異次元の少子化対策というのであればただ単に子育て支援を充実するだけでなく、日本社会にある様々な格差をなくすなど、どのような社会をめざしていくのかをしっかり意識した中長期のスパンで行う施策が重要だと思います。






