びわこ学院大・短大 発! 子ども教育を日本の過去の事例から学ぶ
私たちは教育学といえば欧米の教育学者の理論や思想を引用するのが一般的ですが、日本の歴史や文化の中でも、子どもの成長や発達に関して、鋭く観察した人物も少なくありません。例えば、聖徳太子は「人、はなはだ悪しきものすくなし。よく教ふるをもて従ふ」と憲法17条で記したとされています。古代における人間観察の一例です。
室町時代の世阿弥元清『風姿花伝』には、7歳時からの芸能教育論が展開されています。そこでは、「心のままにせさすべし。さのみに『よき』『悪しき』とは教ふべからず」と語り、子どもが能を好きになるように楽しみながらの稽古を通じての教えを説いています。12、13歳からは、「次第次第に物数」を教えるように述べています。
さらに江戸時代の儒学者・貝原益軒は、「7歳までは神の内」という古くからの慣習のなかで、その著書『和俗童子訓』では3歳からの早期教育に言及しています。さらに女子の教育などにも言及しています。私は、これらの日本人における伝統的な幼児教育論にも着目して、幅広い視野から子ども教育を考えていこうと努めています。いま話題の牧野富太郎という植物分類学者は、「雑草という草はない」と言いましたが、私は「個性を持たない子どもはいない」と考えています。牧野について詳しくは、拙著『牧野富太郎 草木を愛した博士のドラマ』などをご参照いただけますと幸いです。
私の担当する「教育原理」「保育教職論」などの講義では、子どもの頃からの趣味や特技など、それぞれの個性を存分に発揮してもらう教育学を主眼にしています。このような本学でのさまざまな教えが一人ひとりの学生の学びとして結実し、卒業後も保育士や幼稚園教諭、小学校教諭などの立場で大きく羽ばたいてもらいたいと思っています。彼らの持つ特性や能力を高めていくためのお手伝いに、全力を尽くしていきたいと考えています。滋賀で「自ら学ぶ」姿勢で私も実践にとりくみたいです。
びわこ学院大学・短期大学部
東近江市布施町29






