国政刻刻 理解に苦しむ外務大臣の交代
九月十三日、政府は内閣改造を行い、第二次岸田改造内閣が発足しました。全体的な印象としては、女性閣僚が五人となった以外にはこれという感じがありませんでした。ただ、顔ぶれを眺めてみて、「なぜ?」と強く違和感を覚えた点がありました。それは、外務大臣が林芳正氏から上川陽子氏へと交代したことです。
上川氏の能力に疑問符をつけているからではありません。上川氏は法務大臣として実務能力は抜群に高く評価されていますし、米国の大学で国際関係論を学ばれたことも承知しています。
しかし、今、この時期に外務大臣を交代させる意味がどこにあるのか、ということです。
日本は今年、G7の議長国。ウクライナ、ロシア、中国、北朝鮮などを巡る情勢がめまぐるしく動いている時期に、英語が堪能で世界で活動し、各国首脳と濃い人間関係を構築している外務大臣だったのが林芳正氏です。
私も衆議院外務委員会で何度となく林外相と議論しました。答弁内容は面白味に欠けるものの、国益を追求する姿勢にぶれがなく、バランス感覚のあるいい大臣だと感じていました。
そうした評価は国際社会でも同様。また、主要国の外務大臣とは親密な人間関係を構築していることは前述しました。外交は国益をめぐってすさまじいバトルが展開されるものですが、最後にものを言うのが人間関係であることはどの世界も同じです。何度も言いますが、それが、日本と世界にとって重要な時期にご破算となるのですから理解に苦しむということです。
私は民主党政権時代に外務大臣政務官を経験しました。私がお仕えした外務大臣は、岡田克也氏、前原誠司氏、松本剛明氏。お三方とも大変立派な仕事をされましたが、やはり、中長期的視野に立った外交を戦略的に進めるには無理があったと正直に認めざるを得ません。
内閣改造には一定の効果があることは否定しません。政権与党内の事情が深く関わっていることも理解します。ただ、外交の継続性を保ち、各国首脳との人間関係を構築し、中長期的視野に立って国益を追求するという意味では、外務大臣はその内閣では一人が継続して務めることがとても重要なことだと考えています。






