県政NOW 「新型コロナ後の公共サービスについて(2)」
令和2年7月の表題の寄稿では保健所業務をはじめとする公衆衛生施策に関連して新型コロナ後の公共サービスについて意見を述べさせていただきました。
その際にもご紹介した平成21年5月に成立した公共サービス基本法ですが、この法律の第11条では国及び地方公共団体は安全かつ良質なサービスが適正にかつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるように努めるものとする、と規定されています。この規定は公務員の処遇改善だけを目指すものでなく、公務員、非公務員に関わらず公共サービスに従事する方の労働条件を整備することにより良質な公共サービスを住民の皆さんに提供できるという趣旨だと思っています。これまで私が制定を求めてきた公契約法や公契約条例の目的も同様です。
かつて作家の樋口恵子さんが介護に関する講演会で「介護の仕事に従事する人が幸せでなければ介護される人は幸せになれない」とおっしゃいましたが、介護の業務も公共サービスの一分野と考えればなるほどと思います。
さて、公共サービスを提供する主体は現在多種多様となっていますが、コロナ後の地域医療体制を支える病院についても様々な課題があります。
最近、長浜市民病院などの公立病院を指定管理者制度で経営するという長浜市長の方針に対して、長浜市議会が指定管理制度以外の経営形態を検討するよう求める決議をするなど大きな議論が巻き起こっています。新聞報道によると市立病院で勤務する職員に対して労働組合がアンケート調査をされたところ指定管理者制度になれば約4割が離職する、あるいは離職するかもしれないと答えたそうです。現場で働いている人の不安が伝わって来る結果です。
県内では東近江市や守山市で市直営から指定管理などで運営する事例がありますが、医療の不採算部門を担っている公立病院の使命を考えると安易に指定管理に移行すると市民の受けるサービスの質や医療スタッフの確保などで支障が出てくることも懸念されます。
近江八幡市ではかつて医療センターをPFIという新しい手法で運営した時期がありましたが、その時も医療部門は直営で実施しました。
今回の長浜市民病院などの経営問題については先に紹介した公共サービス基本法の理念をしっかり念頭に置いて、良質な地域医療体制の構築に向けて議論されることを期待します。






