県政NOW 「持続可能な交通まちづくりについて」
滋賀県では今年の3月をめどに「滋賀地域交通ビジョン」を策定し、2040年代を見据えて誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる、持続可能な地域交通を目指して様々な施策を行うことになります。そのための財源として交通税導入の可否についても議論が始まります。
こうした中で昨年12月に川勝健志京都府立大学教授の「脱炭素と持続可能な交通まちづくり」と題した講演を聞く機会を得ました。
川勝先生は滋賀交通ビジョン策定に向けた懇話会の委員や滋賀県税制審議会委員をされており、まさに今滋賀県が直面する地域交通対策について意義あるお話を伺うことが出来ました。
特に、興味深くお聞きしたのは米国ポートランドの持続可能な交通まちづくりの実践例でした。ポートランドはオレゴン州最大の都市で人口は67万人程度ですが、車社会というイメージが強い米国の中で車なしでも生活ができるということで大変注目されており、1年間で1万人近い人が移住してくるそうです。
このポートランドとその周辺を含む都市圏の交通サービスを提供しているのがトライメットという公共交通サービスだけを担う特別の行政機関だそうです。具体的には路面電車を中心に交通ネットワークが形成され、15分に1本以上の高頻度のバス路線が路面電車網をカバーしており、加えて体の不自由な人がドアツードアで利用できるリフトといわれる乗り合いバスもあるということです。
その結果、このエリアでは800メートル以内で公共交通にアクセスできる状況にあるということです。こうした交通ネットワークはいわゆる交通税を中心に財源の75パーセントが公的負担で維持されています。
滋賀県にこうした制度がそのまま適用されるわけではありませんが、大いに参考にすべきと感じました。
滋賀県でも近江鉄道や信楽高原鉄道などに公的資金を導入していますし、採算の取れない路線バスやコミュニティーバスなどに補助金を支出するなどの公的負担をしていますが、残念ながら県民に満足感はありません。
地域でも高齢者の皆さんからは通院や買い物に不自由をしているという声をお聞きしますし、私自身の子育ての時代を思い返しても子どもの通園・通学などに多くの時間を費やしたことを考えれば公共交通の充実はすべての世代にとっての課題と言えます。
滋賀県における持続可能な交通まちづくりをどのように進めるのか、その財源や体制について県民の皆さんとともにしっかり議論していきたいと思います。






