国政刻刻 人間の生命・尊厳を最重要視する外交姿勢
去る三月十三日、久しぶりに外務委員会で質問に立ちました。次期首相の呼び声の高い上川陽子外務大臣と議論を交わすとあって、とても楽しみにしていたのですが・・・。
近年、日本は、いわゆる価値観外交を展開してきました。「自由、人権、民主主義、法の支配といった普遍的価値観を共有する国々と連携を強化する」と故安倍首相はよく語っていたことに象徴されます。
私も、自由、人権、民主主義、法の支配といった価値観はとても崇高なもので、大切に守り育てたいと思っています。これら価値観を共有する国々との連携強化もとても重要なことだと思っています。
これら価値観はキリスト教の思想を背景とした欧米発祥のもの。私たち日本人は、明治維新以来、たまたま上手に受け入れてきたに過ぎません。
価値観はその国の歴史、宗教、風土等によって育まれた独自のものが各国にはあり、違いがあって当然です。例えば、ブータンは国王独裁に近い国で民主主義国家とは言い難い面があるものの、国民の幸福度は世界一だとされています。
いわゆる西側陣営の結束によって、国際社会の課題を解決できた時代は価値観外交がその力を発揮しました。しかし、今日は、グローバルサウスと呼ばれるようになった新興国・発展途上国が急速に発言力・存在感を高めてきました。そして、これらの国にはイスラム教の国が多いのが特徴的です。
私たちと同じ価値観を共有できない国が増加し、力をつけてきている時に、声高に価値観外交を唱えていては、結局は、価値観を共有できる国とできない国とで国際社会が分断されてしまいます。世界各国の協力がかつてなく重要となっている今、国際社会が分断されては課題に対応することはできません。
今、ウクライナ戦争やイスラエル・ハマス戦争にみられるように、国際社会は、人間の生命・尊厳を守る姿勢が一番問われています。人間の生命・尊厳ならば、価値観やイデオロギー、国や宗教が違えども、みんなが一致できるはずです。すべてが共有できる本質だからです。
人間の生命・尊厳を最重要視する外交姿勢を日本が強く打ち出すべきだと委員会で主張しましたが、上川外務大臣は官僚の用意した紙を読み上げるばかりで議論は深まりませんでした。






