国政刻刻 出産・子育てはリスクなのか。「異次元の少子化対策」
人口減少が止まりません。総務省が公表した昨年十月時点の人口推計によると、日本の総人口は五十九万人減の一億二千四百三十五万人となり、過去最高の落ち込みでした。ちなみに、滋賀県は○・一六%の減少にとどまっていますが、これは出生数よりも流入人口が大きな要因となっています。
まさに事態は危機的で有事とも言える状況のなか、政府は『子ども・子育て支援法』の制定をはじめとする「異次元の少子化対策」を閣議決定しました。
対策では児童手当の拡充や育休給付金の充実などのほか、「子ども誰でも通園制度」の導入なども盛り込まれ、方向性としては妥当なものと評価できます。予算額も総額約三兆円を明示している点も評価に値します。
そして、その予算額の財源を確保するため、医療保険料に上乗せして加入者から徴収する「支援金制度」を二○二六年から段階的に始めることとしています。
では、一体、一人あたりの負担額はどうなるのか。当初は五百円程度と言っていましたが、年収四百万円ですでにそのラインを超え、三年後には六百五十円へと増えていきます。
岸田首相は「実質的な負担増にはならない」との発言を繰り返していますが、誰がどうみても「負担増」であり「増税」にほかなりません。これから毎年のように少しずつ負担が増加していくことは間違いないでしょう。
保険料に上乗せするという発想がおかしいのです。保険とは、事故や病気、災害等のリスクに備えるためのもの。出産や子育てがリスクにあたるのかと声を大にして言いたいところです。そもそも、健康保険料の目的外使用そのものです。そして、現役世代に対する懲罰的な政策です。
民主党政権下の二○一一年、当時の民主党、自民党、公明党による三党で、「社会保障と税の一体改革」が合意されました。この改革の肝は、少子化対策の税源に消費税をあてるとしています。この三党合意を今の岸田政権はすでに反故にしたのでしょうか。
人口減少は国の有事とでも言えます。少子化対策も待ったなし、です。だからこそ、子どもの育ちと学びを社会全体で支える仕組みづくりについて、真正面からの議論が必要なのです。






