県政NOW 「103万の壁」の議論について
10月27日投開票の衆議院選挙において与党が過半数を割った結果、議席を4倍に増やした国民民主党が選挙中に訴えた「103万円の壁」の引き上げの議論が注目されています。
「103万円の壁」は所得税がかかる年収の最低ラインのことで給与収入が103万円までであれば所得税はかからず、扶養の対象になりますが、103万円を超えると所得税がかかり扶養の対象から外れて家族の所得税も増えることになります。このため、パートなどで働いていて家族の扶養になっている人は11月頃から働き方を制限して103万円を超えないようにしようとしているのが現状です。
このことは雇用主にも影響を及ぼし、12月の繁忙期に人手が確保できないという状況も起こりますので以前から働き方の大きな課題になっておりました。
この103万円という金額は1995年に改定されてから20年以上変わっておらず、この間の賃金の上昇を考えれば見直しの必要性は当然ありますが、一方国民民主党が主張する178万円に引き上げられれば国や自治体にとっては大きな財源不足を生じることから11月25日に開催された全国知事会では個人の手取りが増加するのは賛成としながらも、大幅な税収減に対して国がしっかり支援すべきと言う意見が出されています。
今後は「103万円の壁」だけでなく、立憲民主党から指摘されている社会保険料の支払いが必要になる「106万や130万円の壁」の問題も議論の対象になってくると考えられます。
滋賀県では国民民主党の主張する非課税の限度を178万まで引き上げられると県税が約190億円、市町税が約290億円の合計約480億円の減収となるという試算内容を公表しています。加えて、基礎控除を75万円引き上げた場合、高所得者ほど減税効果が働き格差拡大につながるという指摘もされています。
今回の議論に関して私は社会保険制度加入の拡充についても同時に議論すべきと考えています。一定の条件下で配偶者の扶養になっていると第3号被保険者という制度により自身で年金保険料を支払う必要はなく、配偶者の年金保険料によってその資格は維持されます。しかし、この制度では配偶者の年金加入状況に大きく依存していることから夫婦の将来の生活設計に不安も残ります。
これから臨時国会や25年度の税制改正の中で議論されますが、税の3原則つまり公平・中立・簡素の視点でしっかり議論されるとともに、年金をはじめとする社会保険制度との整合性についても考慮すべきと考えます。






