東近江市上山町の里山「自然共生サイト」に
【東近江】 東近江市上山町(愛東地区)の団体「神明里山ともいきの会」(代表・藤澤徹、地域の役員らで構成)で管理する集落内の里山が、主務官庁の環境省と農水省、国交省で連携する「自然共生サイト」に認定された。里山の価値が社会的に評価され、保全の取り組みに弾みがつきそうだ。市内3カ所目で、自治会の取り組みで認定を受けるのは県内初。認定式が9月30日、東京都内で行われた。(高山周治)
生物多様性の保全が図られている区域
環境・農水・国交の3大臣が認定
自然共生サイトの大臣認定は、生物多様性の損失を止め、回復させていく世界的な社会目標「ネイチャーポジティブ」(自然再興)の一環で、2023年度から民間の取り組みにより生物多様性の保全が図られている区域を認定している。
国の「お墨付き」が得られることで、環境保全や連携拡大が期待される。これまで認定を県内で受けているのは13カ所で、このうち、東近江市内では2カ所。
上山町は、古くは推古朝の時代から、「湖東の小叡」と呼ばれた古刹百済寺の寺内地として、農林業を中心とした集落が形成され、日本の原風景である農村・里山景観が維持されてきた。
今回、共生サイトの認定を受けた里山は、3万4600平方メートル。地元では長年にわたって、環境省や県立琵琶湖博物館、県琵琶湖環境科学センターなどから指導助言、協力を得て、保全活動に取り組んでおり、絶滅危惧種のカワバタモロコなどの希少種を確認している。
しかし、生活様式の変化により管理が十分でなく、このままでは固有の生態系が喪失する恐れがあるという。
このため、国の自然共生サイトの認定を受けることによって、開発行為などを抑え、里山環境の保全と次世代への継承をめざす。今後は行政や学校、事業者と連携し、希少種や景観の保全・調査活動、人材育成を行うとともに、今後10年のロードマップを策定するとしている。
事務局長の山本享志さんは「幅広い連携で取り組みを進めることで、先人から受け継いだ貴重な里山を負債でなく社会全体の財産として次世代へ引き継ぎたい。また、同じような取り組みが広がれば、ネイチャーポジティブが前進する」と、抱負と期待を話していた。







