郷土料理「どろ亀汁」を振る舞い 東近江市商工会女性部
【東近江】 8日に閉幕した国民スポーツ大会。県内各地で競技が繰り広げられた一方、各会場では選手らを歓迎する「おもてなし」も活発に行われた。7競技が行われた東近江市では、「ふるまい事業」を実施。地元民間団体などが郷土料理や特産品などを無料で振る舞い、選手や観客を歓迎するとともに、地域の魅力発信にも努めた。
ボクシング競技の舞台となった能登川アリーナ会場では、五個荘地区の郷土料理「どろ亀汁」が振る舞われ、来場者の舌をうならせていた。
近江商人発祥の地、五個荘では、煮たナスを入れたみそ汁に、すりつぶした飯とゴマを溶かしたどろ亀汁が各家庭で食べられていた。とろみのあるみそ汁に浮かんだナスが、泥に浮かぶ亀のように見えたことからこの名が付いたという。
1890年(明治23)、近江商人の豪商宅に生まれ育った塚本さとさんが、嫁いできた息子の嫁のために家政をまとめた手引書「姑の餞別(せんべつ)」にそのレシピが残されており、近江商人の文化継承と発信に役立てようと東近江市商工会女性部五個荘支部が継承。レシピを忠実に再現しつつも、食べやすいよう現代風に工夫を加えながら完成させた。これまで五個荘地区のイベントなどで提供され、反響を呼んできた逸品だ。
この日、会場一角のブースに掲げられた「どろ亀汁」と印象的な名に来場者も興味津々な様子で、同女性部員らは丁寧に説明しながら魅力を紹介。準備していた200食もあっという間になくなり、来場者も「栄養も豊富でおいしい。ナス嫌いな子どももおいしく食べた」と笑顔を見せていた。
同女性部の北川陽子部長は「優れた郷土料理を通じて近江商人の文化や精神を知ってもらう機会になれば」と話した。







