地域住民の体験 ありのままに 戦後80年「風化させないで」
【東近江】 大陸戦線、南方戦線、シベリア抑留など、戦争時の体験を証言した1995年8月発行の冊子「老ク連だよりのとがわ 戦後50年特集号」(能登川町老人クラブ連合会発行)の内容を紹介する展示が、やわらぎホール(東近江市躰光寺町)ロビーで行われている。
戦後50年を迎えた1995年、全国老人クラブ連合会は、平和の意義を後世に伝えようと戦争を実体験した老人クラブ会員を対象に、当時の滋賀県老人クラブ連合会が加盟する各地区の老人クラブに記念誌の発行を呼びかけた。能登川町老人クラブ連合会を含めた県内11クラブが発行し、能登川では広報誌(14ページ)の中で特集を組んで記載。6500部を発行して町内に配布した記録が残る。
冊子には当時の町長をはじめ、34人の証言が記されている。配属先の劣悪な環境での生活、尊い命が次々と途絶える戦地の状況、抑留生活、戦火となった軍需工場での勤務、食糧難、能登川にあった日清紡績工場への空襲、終戦を知った時の内なる思いなど、言語に絶する苦難の日々を送った生々しい証言がつづられ、平和への願いで締めくくられている。
今回の展示は、いまや貴重となった戦争体験者の生の声を幅広い世代に届けようと、東近江市能登川地区老人クラブ連合会の北崎富三会長が企画した。クラブの資料整理の際に冊子を発見したのがきっかけだった。
北崎会長は「当時、口には出せなかったそれぞれの声や思いも、この冊子にはありのままに残されている。今年は戦後80年。これらの証言を風化させることなく次代に伝えることが必要」と話す。
展示は12月中旬まで。問い合わせは、やわらぎホール(TEL0748―42―2277)へ。







