消防士3人、工場火災の原因調査 火花がコンプレッサー内の鉄粉に引火
【東近江】 東近江消防の消防士3人がまとめた工場火災の調査報告書が、今年度の消防防災科学技術賞の優秀賞に選ばれた。表彰式は20日、東京都内で行われた。この賞は、消防防災の技術向上を目的に消防庁が主催するもので、同消防本部は2年連続の最高賞受賞。
表彰を受けたのは、愛知消防署の市川知史さん(44)と黄瀬諒さん(32)、日野消防署(調査時は愛知消防署)の田井中力さん(26)の3人。
火災は昨年3月、愛知消防署管内の金属加工工場で発生した。火元は工場内のコンプレッサーで、当初は機械不良が疑われた。しかし、消防と関係者で合同鑑識した結果、機械に異常がないことが分かった。
そこで、オイルと混じり合った鉄粉の残留物に着目して、火災実験を繰り返した。その結果、コンプレッサーが吸引した鉄粉がオイルと混じってコンプレッサー内にたまり、それに研磨機械のグラインダの火花が流入し、炎の出ない無炎燃焼を起こしていたことが分かった。
この無炎燃焼の状態は気づかれないまま数時間以上経過し、コンプレッサー内の防音ウレタンに燃え移って有炎燃焼となった。消防庁研究センターの実験でも同じ結果を得られた。
同消防本部は、調査結果を再発防止に生かすため、工場内のレイアウトの改善指導を行うほか、広域行政組合の消防署間や業者間での情報共有に努めた。
受賞した市川さん、黄瀬さん、田井中さんは「事業者の協力で突き止めることができた。火災はどこの工場でも起こり得るので、類似火災が発生しないよう役立てていきたい」と、表情を引き締めた。






