県政NOW 「急がれる熊被害への対策と過疎化対策」
新聞やテレビでは、連日のように市街地への熊の出没情報や人身被害が報道され、今年の流行語大賞に「緊急銃猟/クマ被害」がノミネートされるほど世間の話題をさらっています。
これまでは、熊の生息域に人が立ち入ったときに熊に襲われたと耳にする程度でしたが、今年は状況が一変し熊の出没や人身被害が過去最大となり、外出を控えるなど細心の注意を払わなければいけない災害級の事態となっています。
熊は、ブナの実など餌が豊作な年に栄養を蓄えてその翌年に出産しますが、餌が豊富であればあるほど多く出産すると言われ、温暖化により豊作年の周期が5年から2年に短くなったことで熊の個体数が毎年15%程度増加していると推測されています。
また熊が一時絶滅の危機にあるとみられたことから長期的な保護政策が続いたことや狩猟が少なくなったことで人への恐れが減り、奥山だけでなく中山間地や住宅周辺まで熊の生息域が広がっています。さらに、過疎化や高齢化に伴い耕作放棄地や空き家が増加し、人の管理が及ばない空間が拡大したことで人と熊の距離が急速に縮まっていることから市街地に暮らす人々にとっても過疎化は無縁ではなく避けて通れない課題となっています。
市街地に出没する熊は、生息域で餌の奪い合いに敗れた弱い熊だと言われていましたが、市街地には栄養豊富な餌が多く、また人を恐れず容易く採れることから近頃では1メートルを超えるような大きな熊までも市街地に出没しています。
イノシシやシカと異なり熊は、人と遭遇すると人を恐れるどころか邪魔者を排除するかのように喉や頭など急所を狙って攻撃し生命に係わる人身被害を負わせます。
兵庫県では、20年ほど前から熊の個体数や生態の調査を行い、それをもとに個体数の適正管理に努め、熊被害の最も少ない県だと言われています。
本県も熊の個体数や生態の把握による適切な被害対策が急がれるとともに、熊の出没の一因となる中山間地等への過疎化対策が急務となっています。






