大規模建物跡東西30メートル、南北約10メートル
【東近江、近江八幡】 県は2日、安土城跡(近江八幡市、東近江市)の天主台下を取り囲む郭「本丸取付台」の東側の区画から、大規模な建物礎石が見つかったと発表した。
同じ本丸取付台の中央部では、昨年調査で別の建物礎石が見つかっており、さらに中央部と東半部を区分けする石列が発見されていることから、本丸取付台には少なくとも中央部を含めて2棟の建物があったとみられる。昨年度からの調査で、天主台の東側周辺を囲む城郭中枢部の全貌が明らかになりつつある。
調査では、本丸取付台の中央部と東側を区分けする石列が昨年に続いて見つかり、さらにその東側で東西約30メートル、南北約10メートルにわたって、一辺80センチ程度の建物礎石が21個検出された。
なお、この調査は、天主台周辺地区の環境整備のため、県が2023年から20年計画で実施している「令和の大調査」。
有識者のコメントは次の通り。
山岸常人・京都大学名誉教授(建築史)「伝本丸取付台に東西30メートル程度、南北10メートル程度の大規模な建物があったことが明確になり、昨年度調査区で検出した建物とともに、天主東部の足下(あしもと)を囲んでいたことがはっきりした」
坂井秀弥・奈良大学名誉教授(史跡整備・考古学)「今年度の伝本丸取付台の建物は、確認された礎石からみて、郭のほぼ全域の範囲に及ぶ大規模なものとみられる。建物の西妻側にある石列は、昨年の天主東側の建物に伴う石列と同様の機能をもち、建物の区切りを示すものと考えられる」
佐藤亜聖・県立大学教授(考古学)「一昨年から今年度の調査によって伝本丸取付台の全貌がほぼ明らかになった。これまで一連の建物か、複数の建物か判然としなかった場所であるが、明確に2つの建物(群)(昨年度の調査区と今年度の調査区)に分かれることが判明したことは重要な成果である。さらに、2つの建物の間には、天主上り口の前に石列によって区画される空間があることがわかり、城郭中枢部の具体的な構造が見えてきた」







