医療研究フォーラム 約40年の症例踏まえ発表
全国の保険医協会(医師、歯科医師)による「第40回保団連医療研究フォーラム」が佐賀県で開催され、東近江市内で歯科医院を構える井田亮氏(79)(本紙コラム執筆)が「地域歯科~乳児から成人、成人から後期高齢者 約40年を通じて」をテーマに発表を行った。
井田氏は、歯科治療の成功は当面の結果で判断できず、長期的にみて初めて判断できるという恩師の教えのもと、患者の30年~40年にわたる口腔衛生管理の記録を多く保管している。発表では、約40年にわたって管理・指導した症例を紹介した。
1人目は子ども~成人の症例として、1985年(当時5歳)から診ている男性(45)の症例を紹介した。初診時は、乳歯全てがむし歯だったため、砂糖類を控える食事指導とブラッシング指導を3カ月ごとの定期検査で実施したところ、11年後の16歳でむし歯はなくなった。
さらに高校1年生時から半年に1回の機械的清掃(PMTC)で、むし歯や歯周病の原因菌を除去。現在でも甘いものはほとんど飲食せず、口腔衛生を自己管理して健康的な生活を送っている。
2人目は成人~後期高齢者の症例として、1982年(当時38歳)から診ている女性(80)で、2009年からの歯周病菌の治療は、半年に1回の機械的清掃とあわせて、マウスピース型「トレー」に薬剤を入れて就寝時などに装着してもらった。
この結果、治療スタート時には、口腔内の総細菌に占める歯周病菌の比率はリスクのある0・116%だったが、7年後の16年はほぼゼロに減少した。
井田氏は「歯をできるだけ削らず、歯の健康な部分を残す」を治療コンセプトに掲げており、今回の発表で「40年間の記録により、患者自らが食事や原因菌の除去で口腔環境をコントロールできる、口腔を通じた健康感の一人立ちの大切さを示せた」と話している。






